* カバー・トリビュート盤 : ざ・いえろー・もんきー

22nd.544-547,551 : 名無しのエリー2009.12.09.

(Disc.1)

1.WELCOME TO MY DOGHOUSE(SCOOBIE DO)★★★

インディーズアルバム「BUNCHED BIRTH」に収録されていた初期を代表する曲。
もっとファンクに来るのかと思ったら、意外と原曲尊重。
ボーカルに深いリバーブがかかっていて、狭いライブハウス感をかもし出している。

2.LOVE LOVE SHOW(奥田民生)★★★☆

まず出だしで爆笑。民生らしい茶目っ気のあるひとりバンドカバー。
「たまにはね」とか「頭に乗せ」の部分のコーラスがやたらビートルズっぽく感じてしまうのは民生だからか。
間奏からはピコピコ音も増えて原曲により近くなっていき、冒頭と同じ音声が繰り返されて終わる。
聴き終わったあともしばらく「おっねいさーん!」が頭から離れなくなるインパクトを持つが、次の曲も相当なインパクトだった。

3.SUCK OF LIFE(毛皮のマリーズ)★★★

いきなりいたいけな女の子の「ファスナーを下ろして~」でずっこける、しかもこの部分だけオケが原曲にかなり近い。
原曲ではジャンジャンギターが鳴っていたのに大してこちらはギターは控えめで、全体的に音がスカスカ。
最後はビッグバンド風の洒落たアレンジになって終了。
マリーズを知らないイエモンファンにとってはVo.志摩の声を受け入れられるかが全てだと思う。
しかし、わざわざこの名曲を選曲する所に尋常ならざる愛と意気込みを感じる。

4.SPARK(秦基博)★★★★☆

これはビックリした、ほぼ完コピしてる。……アコギで。
原曲とほとんど同じで、ギターがアコースティックになったというだけなのに文句なしにカッコいい。艶のあるボーカルもなかなか堂に入っている。
さわやかな印象があった秦基博に対するイメージががらりと変わった良カバー。

5.JAM(TRICERATOPS)★★☆

原曲をあまり崩さない手堅いカバー、逆に言うと面白味はあまり無い。
だんだん演奏にもボーカルにも熱が入っていくところまで原曲どおり。

6.空の青と本当の気持ち(星羅)★★★

初めて聴くアーティストその1。唯一の女性参加者。
こちらもアコギだが、秦のそれとは違って穏やかな弾き語り形式。間奏の英語部分に、独自にメロディを付けて歌ってるのが印象的。
キレイすぎて、良い意味でまったくイエモンっぽくない。オリジナル曲と言われても納得できる。

7.SEA(山田孝之)

原曲からしてポエトリーリーディングと言う異質な曲だったが、それを俳優の山田孝之が朗読。
ぎこちなかった吉井の語りと比べて、さすがにセリフ慣れしている。大人っぽい。
ちなみにトラックはモーガン・フィッシャーが作っていて、事実上彼は3曲参加している事になる。

8.BURN(椿屋四重奏)★★★★

「SEA~BURN」という流れはアルバム「PUNCH DRUNKARD」の完全踏襲。ファンなら血がたぎること間違いなし。
このカバーではスパニッシュなアレンジで、ちょっと「薔薇娼婦麗奈」を彷彿とさせる。
Vo.中田のねちっこい歌い方がこの曲にはバツグンに合う、期待通りのカバー。終わり方がシングルVerなのがまたマニアック。

9.カナリヤ(tacica)★★★

初めて聴くアーティストその2。テンポが下がって雄大な曲になっている。
原曲が近所の公園の原っぱなら、こちらは異国の大草原と言った趣き。

10.4000粒の恋の唄(あがた森魚)★★★★★

これはすごい、完全に「未公開のエクスペリエンス・ムービー」の世界である。
怨み節のような歌い方といい、フランス映画チックなアレンジといい、吉井より「マリーしてる」と言ったらおおげさですか?
吉井も多大な影響を受けたあがた森魚が参加、しかも曲は「4000粒の恋の唄」、もうそれだけで感無量。

11.PUFF PUFF(instrumental)(MORGAN FISHER)

こちらも吉井が影響を受けた、グラムロックバンド「MOTT THE HOOPLE」のキーボーディストだったモーガン・フィッシャーが、
2ndアルバムに入ってた珍曲をインストカバー。短いながら賑やかなアレンジで、さらりとDISC 1を締める。
この曲の後に美輪明宏が歌う「シルクスカーフに帽子のマダム」でもあれば昇天したかもしれない、残念。

(Disc.2)

1.FOUR SEASONS(フジファブリック)★★☆

参加者と担当曲が発表された時から「これは合うな」と思ってた組み合わせ。
ほとんど原曲通りなのも、志村の歌が下手なのも予想通り。

2.パール(黒猫チェルシー)★★★

初めて聴くアーティストその3。毛皮のマリーズの後輩、だからなのかなんなのかボーカルのスタイルが志摩そっくり。
全体的に遅いが、大サビでひときわ遅くなった後、間奏を経て原曲に近い疾走感でそのまま終わる。
ところどころ原曲の超カッコいいギターフレーズを、鉄琴やらリコーダーやらで演奏しているのが笑える。

3.TVのシンガー(9mm Parabellum Bullet)★★★☆

「この曲を9mmがやるならこうなるだろう」と言うイメージがそのまま再現されている。
ちなみにギターソロ前でボーカルが「ギター」とつぶやくのは吉井がライブでよくやっていたアドリブ。

4.楽園(KREVA)★★★

落ち着いたトラックに、ボコーダーのかかった歌がそれまでの「楽園」のイメージとはかけ離れていて新鮮。
いつものヒップホップとは違う感覚で聴ける。こういう楽園もありか。

5.SHOCK HEARTS(metalmouse)★★★☆

初めて聴くアーティストその4。KREVAに続いてこちらも打ち込み系。
歌詞の構成を大幅に変更したりして、原曲の能天気なイメージからは想像もつかないカッコいいアレンジ。

6.球根(THE BACK HORN)★★★★

原曲より若干攻撃的なグランジ。椿屋、9mmなどと同じく曲がアーティストに合っていて、違和感は無し。
終盤の盛り上がりにはグッと来るものがある。

7.追憶のマーメイド(ムック)★★★★☆

これもまたアーティストと曲の相性がいい。
GS風味の印象的なリフや、サビで効果的なコーラスが付くのは原曲そのままに、随所に独自のアレンジが入っていて、新しい気分で聴ける。

8.離れるな(金子ノブアキ)★★★☆

RIZEのドラマーのソロ、ということでもっとドカドカしたアレンジかと思ったら、
ピアノまじりに大人っぽく始まり、ドラムが入ってくるのは大分後からだった。
最初の部分にちょっとだけ原曲が流れる。

9.SO YOUNG(シュリスペイロフ)★★☆

初めて聴くアーティストその5。
イントロなしで突然始まる。悪くはないが、他のメンツが濃すぎてあまり印象に残らないかも。

10.メロメ(instrumental)(MORGAN FISHER)

これも短いインスト。
彼はイエモンの3rdアルバムでピアノをゲスト演奏していたので、原曲通りのピアノアレンジになるかと思いきや、
全然違う弦楽器(マンドリン?)だった。

11.バラ色の日々(Nothing's Carved In Stone)★★★

初めて聴くアーティストその6。
ハードで重たいリフもあって、アレンジ面では原曲の面影はほとんど無い。純粋にカッコいいカバー。
それにしても終わり方が唐突すぎやしまいか。

12.プライマル。(フラワーカンパニーズ)★★★★

この濃いトリビュートアルバムを締めくくるフラカンは、イエモン最後のシングル曲をカバー。
「ぱーぱーぱぱぱー」のコーラスで既に曲をモノにしている、元気で自由奔放なアレンジ。
最後の「きっと好きだった」を連呼する所はなんだか感慨深い。

総評.★★★★

「WELCOME TO MY DOGHOUSE」に始まり「プライマル。」に終わるという、
なかなかに憎い曲順のTHE YELLOW MONKEYトリビュートアルバム。
イエモン自体が濃いバンドだっただけあって、全体的に相当濃いアーティストが揃っている。
他人がカバーすることによって曲の新しい魅力を発見したと同時に、原曲の良さを再認識できた一枚でした。
欲を言えば、スピッツの「Love Communication」なんかも聴きたかった……。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。Disc.1-tr.7,11, Disc.2-tr.10は星評価なし。)