* カバー・トリビュート盤 : (ざ・)ぴろうず

8th.583-584 : 名無しのエリー2004.09.15.

1.RUNNERS HIGH(ストレイテナー)★★★★

初っ端からストレートな疾走系ナンバー。高いテンションを維持しつつ2分6秒間を駆け抜ける。

2.Funny Bunny(ELLEGARDEN)★★★★☆

テナーと同じく若手実力派バンドの好カバー。
POPな原曲の持ち味を活かしつつ、ラウドなギターロックを聴かせてくれている。

3.巴里の女性マリー(THE ピーズ with クハラカズユキ)★★★★☆

第一期ピロウズのライブの定番曲をカバー。男臭さ爆発の三羽烏がこれでもかとロックンロールしております。
ハルの男らしく、切ない唄声が胸に響く。

4.Vain Dog(in rain drop)(noodles)★★★☆

一番原曲に忠実にカバーしていると思う。
印象的なドラムソロから始まり、この曲の最大の特徴であるあのヘンテコなギターリフが加わりそしてベース、YOKOの魅力あるヴォーカルと続く。
実力派ガールズバンドの名に恥じない名演奏をご堪能あれ。

5.この世の果てまで(YO-KING)★★☆

倉持が肩の力を抜いて伸び伸びと歌う。泥臭いリフが全体的に何とも気だるい独特な雰囲気を創り上げている。
良くも悪くもYO-KING。

6.カーニバル(佐藤竹善)★★★☆

意外な人が意外な曲をカバーしたとファンの間で衝撃が走ったのがこれ。ピロウズ流オルタナの傑作を見事にカバーしている。
竹善歌上手すぎ。笑い声やバックコーラスはビックリします(笑)

7.LITTLE BUSTERS(GOING UNDER GROUND)★★★

素生が頑張って唄っている(特にサビの唄い方が気に入った)のは好感が持てるが、全体的にもうちょっと力強さが欲しかった。
しかし曲終盤の盛り上げ方は◎。ドラムカッコイイね。

8.Our love and peace(SALON MUSIC)★★★★★

宇宙空間をあても無く漂っているような曲の幻想的な世界に一気に引き込まれる。圧巻。個人的にこのトリビュート盤の一番の聴き所だと思う。
ちなみにSALON MUSICとは the pillowsのプロデューサーである吉田仁のユニットである。

9.ハイブリッドレインボウ(BUMP OF CHICKEN)★★★☆

原曲はライブのクライマックスでよく歌われる名曲。
バンプヴァージョンでは原曲の持つ激しさは無いものの
序盤から流れる「メロディーフラッグ」などを彷彿とさせるアルペジオや静かでかつ丁寧なヴォーカルや演奏が良い。泣けます。

10.ストレンジカメレオン(Mr.Children)★★★★☆

おそらくこのアルバムで一番の目玉はこの曲だろう。
ミスチル桜井の好きな曲トップ10に入るピロウズ屈指の名バラードを力強くアレンジしている。
完全にミスチルの曲と化しており、桜井もかなりクセの強い唄い方(終盤は叫びに近い)をしているため、
原曲が好きなピロウズファンの中には拒絶反応を引き起こす者もいるだろう。
よって原曲を知る者はミスチルの新曲だと割り切って聴いた方が良い。

11.Sad Sad Kiddie(YUTA.TOSHI.CHIHO and JIRO'S SESSION(from GLAY JIRO))★★★★

ピロウズお得意の英詩のオルタナギターロック曲を大胆にもギターを使わずピアノを取り入れたお洒落なジャズサウンドに仕上げている。
オムニバス映画のエンドロールを見ている感覚。アルバムを締めくくるにふさわしい一曲。

総評.★★★★☆

‘04年9月16日で結成15周年をむかえるthe pillowsのトリビュートアルバム。
原曲の良さは勿論、参加アーティストの個性溢れるカバーには目を見張るものがある。
参加アーティスト目当てでも、the pillowsを全く知らなくても問題なく楽しめる充実の一枚。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

18th. 289-293 : 名無しのエリー2008.07.07.

1.RUNNERS HIGH(ストレイテナー)★★

原曲の特徴であったハンドクラップを取り除き、よりストレートなアレンジに。
彼らの持ち味である「直線性」を活かすためのコードストロークなのだろうが、原曲のカッティングの方が疾走感があったような。
歌詞中の「息を止めてずっと走り続けた」にも「苦しかった」影などは無く、
これからトップスピードへ上げていく余力満々の若さだけが感じられてしまう。

2.funny bunny(ELLEGARDEN)★★★★

原曲は描かれた世界が「小さい」からこそ魅力的だったわけだが、
彼らはその「小ささ」を取っ払い、「頑張ってる人応援してるぜ!」といった自身の持ち味が活きるストレートな応援歌に。
サビの回数を増やしてキャッチーにしたのも正解だろう。仮に本家がこちら方向性で作っても半端なものになる。
自分達のフィールドに持ち込むことで原曲の新たな一面を見せた好カバー。

3.巴里の女性マリー(THE ピーズ with クハラカズユキ)★★★★

アレンジは殆ど変えず、一発録りのような質感。いい意味で荒っぽい。
大木温之というボーカルの力で同じ歌詞を歌っているのに、
主人公がナヨナヨした好青年から力ずくで彼女を取り返す男にそっくり変わったような印象を受ける。これはさすがと言うしかないだろう。
別の物語が味わえる好カバー。

4.Vain dog(in rain drop)(noodles)★★★★

原曲の特徴であるヘンテコなギターフリフをさらに腰の抜けたものにし、ヘタウマの妙技を見せる。
締まりに欠けるリズム隊もいい方向に働き、原曲以上に味わいが感じられる好カバー。

5.この世の果てまで(YO-KING)★★

浮かびます。日本の原風景。トラックの荷台に乗って、行こう。ド田舎の果てまで。

6.カーニバル(佐藤竹善)★★★

アレンジ的には殆どいじっておらず、ごく普通のカバー。
竹善氏の声の繊細さには恐れ入るものの、さしてメロディアスとは言えないこの曲ではその歌唱力を発揮しきれていないような。
「彼女は今日,」や「ONE LIFE」なら本家がちょっと可哀想になるほど(笑)見事な歌唱を披露してくれそうだが。
聴き所はやはり「ウォホホアォアォー」(誇張アリ)か。

7.LITTLE BUSTERS(GOING UNDER GROUND)★★

原曲がひたすらダイナミズムに重点を置いたシンプルな曲のため、
”センチメンタル(なデブ)”を売りにするこのバンドとすれば選曲ミスでは?と思わせる。
最初にズドンと入るドラムのアレンジは面白いものの、単純な演奏力不足で迫力に欠け、
キーボードによって違う味わいを期待したいがこちらも効果的には使えず、長いアウトロもしつこいだけのような。
「Midnight down」とかの方がよかったのでは。

8.Our love and peace(SALON MUSIC)★★★★

このアルバムで唯一、原曲の「小ささ」をうまく残しながらも別の側面からの音楽的アプローチに成功している。
本家への理解度とミュージシャンとしての力量の高さを併せ持った好カバー。クオリティでは一番だろう。
彼らの実力からすれば、もっとぶっ飛んだアレンジに挑んでくれてもよかったのでは。

9.ハイブリッド レインボウ(BUMP OF CHICKEN)★★★★

原曲が感情の爆発を前面に出しているのに対し、それを対象にぶつけるのではなく、
強い意志を秘めながらぐっと拳を握り締めるような、内側で静かに湧き上がるものに変えた。
また、歌詞中の目線も「主人公(歌い手)」から「主人公を俯瞰して見る」ものに変わっており、
「比喩」として自己主張に一貫されていた曲を、「物語」としてより不特定多数が感情移入しやすいものに。
その是非はともかく、それがバンプオブチキンの特性と言えるだろう。演奏も歌唱も丁寧で好感が持てる。
M-2同様、自身の持ち味によって原曲の新たな一面を見せた好カバー。

10.ストレンジ カメレオン(Mr.Children)★★★

世界の隅っこの方で呟くように孤独を歌い、近くを歩いている同種の人間しか振り向かなかった原曲に対し、
桜井氏が歌うだけで「何となく周りに馴染めない全ての人(一時的なものを含む)」へ向けたメッセージソングに変貌。
日本中に”ストレンジカメレオン”続出である。是非はともかく、素直に凄いと言える芸当だろう。
しかしながらアレンジ面がどうにもいただけない。
ドラムは熱いフィルインで曲を盛り上げようとしているが、ギターとベースが基盤になれていない。
ピアノやシンセをバンドサウンドに味付けするために重ねているわけではなく、
かと言ってそれら自体がメインフレーズを奏で強く主張するわけでもなく…。
全てのパートにメリハリがなく、ただ均等な印象。
好意的に見ればボーカルを立てながら曲の「雰囲気」を作ることに重点が置かれ、バランスが取れているのだろうが、
個人的には非常に歯痒い塩梅で、終始どのパートにもピントが合わず聴いていて辛い。
様々な音が重ねられていても、M-8のサロンミュージックはポイントごとの演出が明瞭で非常に心地良いのだが…。
バンド(ロック)と言うよりはポップスで、それが普段のミスターチルドレンなのだろうが、
バンド色の強い曲をカバーするときくらい小林武史に頼らなくてもよかったのでは(色々とそうはいかないのか)。
M-6の竹善氏、M-9のバンプオブチキンはバンドサウンドを軸にしており、余分な装飾は無かったわけで。
このアルバムで最も力の入ったカバーで、本家への強いリスペクトを感じるだけに残念でならない。
原曲のイメージを変えたことではなく、アレンジの姿勢が気に入らないカバー。

11.Sad sad kiddie(YUTA.TOSHI.CHIHO and JIRO'S SESSION(from GLAY JIRO))★★★

オシャレだなあ。

総評.★★★★

ザ・ピロウズという(この当時はまだ)セールス的にも報われておらず、
業界内の評価も中途半端ながら、ある種独特とも言える立ち位置とスタンスで活動を続けてきたバンドの楽曲を、
単純に音楽的に高い能力、もしくは大衆に訴えかける魅力を持ったミュージシャンがカバーすることによって、
どういった要素が加味されて別の輝きが生まれるか、という点で面白味が見出せる一枚。
特にM-2、M-9、M-10ではそれぞれのバンドの持つ「大衆に訴えかける力」によって、
本家では内に向いていた感情を不特定多数が移入しやすい形に変え、外に大きく発信できる曲に変貌させた。
聴き手の数が増えるほど「カバーのほうがいいじゃん」と言われそうなのがまた面白い。
原曲と人気のあるバンドがカバーしたそれらとの性質の違いを聴き比べてみると、
ピロウズ本来の魅力である「小ささ」をより明瞭に感じ取ることができ、
小さいには小さいなり、大きいには大きいなりの魅力がある、ということが改めてよく分かるかも。
ただその「小ささ」を期待して彼らの近年の作品を聴くとかなりの違和感を感じてしまうだろうが…。
個人的には(実現可能範囲では)コレクターズ、怒髪天、髭などによるカバーが聴きたかったところ。
”偉人へのリスペクト”とはまた違った、一風変わった側面を持つトリビュート・アルバムである

(★5個が満点。)

27th.449-451 : 名無しのエリー2014.07.23.

1.white ash(WHITE ASH)★★★★

曲名とバンド名が同じ、と言うのは笑いどころか。
淡々と始まって、サビ前で突如原曲と同じスピードに戻りそのまま駆け抜ける。
2番を歌わずあっさり終えたのはフリクリ版リスペクト?

2.この世の果てまで(グッドモーニングアメリカ)

個人的に無理なので評価のしようがない……。
対バンツアーでもハブられるという悲劇。

3.インスタントミュージック(9mm parabellum bullet)★★★☆

意外なほど原曲に忠実。そしてかっこいい。
くるりのトリビュートでは微妙だったので期待はしていなかったけどよかった。
サビで爆発する感じはキューミリならでは。

4.funny bunny(Base Ball Bear)★★★★

スピードを上げて、わかりやすく爽やかに。サビのコード思いっきり変えてるそうだが違和感はなかった。
原曲ともエルレ版とも違う、新たなアレンジ。

5.スケアクロウ(Weaver)★★★★☆

ピアノロック。
ボーカルと演奏から暑苦しさを取っ払い、ピアノロック特有の爽やかさとスタイリッシュさを注入したところ、
ラブソング的側面が大幅に引っ張り出されることに。アレンジで曲のまた違った一面を引きずり出してる。
これならもっと売れてた!w

6.エネルギヤ(scars borough)★★☆

かっこいいんだけど、最後の叫びがないと物足りなさを感じてしまう。

7.ノンフィクション(東京カランコロン)★★★★★

個人的に今回のトリビュートでのベストトラック。
原曲のけだるさを取っ払い、完全にポップサウンドに。サウンド面でうまくポップに持ってきている。
ラストサビの畳みかけるような構成が素敵。

8.開かない扉の前で(カミナリグモ)★★★★★

山中さわおの子飼い、その1。
シンセ音、ノックの音のようなパーカッション、鎖を引っ張るようなSEなど、
『開かない扉』の前でガチャガチャやってるイメージに、ボーカルのふわふわした声が乗っかって聴きやすい。
原曲のよさをそのまま生かした好カバー。

9.fool on the planet(UNISON SQUARE GARDEN)★★★★★

賛否両論、間違いなし。原曲の重厚さを取っ払い完全に自分たちの曲にしている。
イントロのフレーズとかコーラスとかほぼ忠実に持ってきているのになぜこうなる。
開幕の『サンキューバスターズ!』とかコーラスの『twenty and five congratulations!』とか遊びすぎ。
笑うしかない。楽しい!w

10.カーニバル(シュリスペイロフ)★☆

山中さわおの子飼いその2。ボーカルかっこいい、演奏かっこいい、巧い。それは間違いない。
でも原曲そのままやられても面白味はない…これなら原曲を聴く。
なんともいえない残念感。なぜこの曲を選んだのか……

11.blues drive monster(a flood of the circle)★★★☆

この曲アレンジするならこんな感じだよね。疾走感溢れるロックンロール!熱い!

12.ハイブリッド レインボウ(ふくろうず)★★☆

ひらがなで『はいぶりっどれいんぼう』って感じ。だるい。だがそれがいい。
ふくろうずってこんな感じだよね、みたいなのを越えきれてない。
ギターがなんかおもしろいけどそれだけって感じ。

13.ストレンジカメレオン(髭)★★★★★

今回のトリビュートの中で最も原曲に忠実なアレンジ。
いちいち泣ける。最後のアウトロが一番伝えたかったことなのだろうな、とか考えるとたまらない。
シンプルなかっこよさが最高。須藤レンジカメレオン。

14.no substance(the Bohemians)★★★

山中さわおの子飼いその3。原曲に忠実、としか……。

総評.★★★☆

前回のトリビュートが大御所、実力派ばかりかつ山中さわおがオファーを出したというのとは対照的に、
今回は若手、事務所がオファーを出したということもあり、玉石混淆なイメージ。
どうでもいいが、さわおの子飼いなのにハブられたLOVE LOVE LOVEが不憫すぎる……。
ピロウズというより、参加メンバーに惹かれた人が買うのがいいかもしれない。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)