* アーティスト名 : ろくげんありす

ア1st.114-117 : ななしいさお@オマエモナゆりかご会2009.01.27.

1.メタモルフォーゼ★★★★☆

ホンモノのクワイアをぶち込み、アンナ嬢のソプラノヴォイスが遺憾なく発揮されるゴシックテクノ。
打ち込みリズムなのはわかるのだが、深みのある音に仕上がっており、ストリングスの音もヤニっぽさが出ているのが驚き。
本当に素人の作品か!?
シンフォニック性は先駆者のALI PROJECTとは違う方向に発揮されており、
ALI PROJECTが室内音楽なら、六弦アリスはジングシュピールといったところか。

2.空想イデア★★★★

さて、オペラで言えばちょうど最初のアリアが始まったところか。
一曲目とは打って変わり、アンナ嬢は妖しいアルトヴォイスで歌い、語る。
リズムこそテクノだが、ゴシック特有の退廃的な美しさと激しいギターは健在。
このような音楽性を打ち出したユニットが少ないだけに、
スタンダードになりうるポテンシャルを感じさせてくれるのは、もはや驚愕の一言に尽きる。

3.マスカレード★★★

妖しげなワルツで幕を開ける第三楽章。ここでアンナ嬢は甘い歌唱を披露。
しかし、それはただの前振り。妖しいワルツは黒い感情を吐き出すための前振りに過ぎなかった。
楽曲自体はマリスミゼルファンにはたまらないタンゴワルツ。さぁ、踊り狂う準備は出来た。

4.Innocent Black★★★☆

甘いシンセ音でなり始める疾走曲。
ホンモノのギターと同じぐらいに重いリフが全体を駆け巡り、ドラムやベースも容赦なくヴォーカルに降り注ぐ。
が、ヴォーカルも負けじと漂うようなヴォーカルで勝負に出ている。
一見、埋もれそうな歌い方ではあるが、楽曲の空気を考えると妥当。
シンセベルが煩いのが欠点か。せっかくのヴォーカルが打ち消される。
てか、このアコギも打ち込みなのが信じられん。

5.Perfect 『EDEN』★★★★☆

中近東の香りを漂わせるミドルチューン。ギターも妖しくなっている。
歌詞はかなり危険だが、曲はかなりキャッチー。ベリーダンサーの美女が出てきそう。
感想で聴けるギターと笛の掛け合いはより、曲の妖しさを増幅させる。

6.緋の軌跡★★★★

本作唯一のアンナ嬢作詞・作曲のメロスピ。
ヴィジュアル系にありそうなメロディだがリフの重さや表現の立体感がそこいらにいるバンドとは比べ物にならない。
なのに、サビがキャッチーなのはまるでJanne Da Arcではないか。
もしかしたら、普通にCDショップに売ってそうな青い歌詞っていうのも面白い。
が、そうだとしたら普通はゴシック色の強いヴォーカルと音を使わないかw

7.月ハ照ラセド、少女知ラズ★★★☆

穏やかなピアノと物騒な歌詞でお送りするバラード。で、サビで爆発。なんだか展開がX JAPANを連想させるくらいにクサいw
メロディだけなら名曲だろうが...歌詞が物騒すぎて、人に勧めにくい。
そして、ギターソロは泣きまくり。どうやって打ち込んだんだ、これ?

8.センセイ、アノネ。★★★

重たいリフがグイグイと耳に迫るミドルチューン。こちらも中近東の香りが。
コーラスは妖しく、歌詞は物騒。歌声も独特すぎて、返って聴きやすい。
重く、美しいギターソロやクワイアも飛び出す、インダストリアルメタル。
ラストの歌詞がエグい。

9.Alice in the Necrosis★★★★★

ようやく、このアルバムのハイライトと言えるメロスピがお目見え。
どこか狂ったように(良い意味で間違った方向に)まっすぐなヴォーカルが噛み付く正統派メロスピ。
ツーバス鳴らすわ、ギターもわめくわと文句なしのメタル。
歌詞は...これ、親近感を覚えたら最後かもしれない。
世間に認められず、身内に味方がいないとこうなるって一例だな。

10.少女ハルヱ★★

9曲目のオルゴールバージョン。
むなしく響くその音色をバックに、もう一度、9曲目の歌詞を読み返してみよう。

11.Necrosis★★★★

正統派シンフォニックスピードメタル。少女の狂気コエー!!
そして、どう聴いても打ち込みに思えない楽器隊。こうして純粋なメタル曲を聴くと、この人たちの凄さがわかる。

12.母の願い★★★☆

アコギによるインスト。
...打ち込みなのに、リアルなんですけど。最初は冗談抜きでギタリストを呼んだのかと思った。
曲は10曲目と同じ、9曲目をモチーフにしている。
カフェ向けかな。歌詞の内容さえ考えなければ。

総評.★★★★

六弦アリス4枚目のアルバムのリメイク版。
オリジナルと比べて、格段に音質が向上し、わざわざ3枚に分けていた楽曲を一つのCDに纏めている。
そのおかげで、ようやく物語のつながりがわかってきたのは嬉しい。
アレンジの打ち込みレベルは既にプロでも十分やっていけるレベルで、
今更ミュージシャンを呼んでもしょうがないくらいに完全に打ち込めている。
流石に歌詞の内容が内容だけに人を選ぶので、万人には勧められないが、
心底、ゴスロリに使っている少女やメタルフリーク、ヴィジュアル系ファンなら間違い無く買って損はないアルバムになるだろう。
ただ、完成度は間違い無く高いので、今後、音楽をやって生きたい人は勉強の一環となるんじゃないだろうか。
世界観は別にして。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

23rd.393-395 : 名無しのエリー2010.06.03.

1.さよなら、世界★★★

いわゆる厨二病患者向け楽曲。このころは音声加工ブームなのか、アンナ嬢の声がケロってる。
バックの打ち込みは相変わらず完成度が高く、生演奏に肉薄している。
厨二病患者なら一度聴いてみて損は無いだろう。そうでない人にはちょっときついかな(メタラー除く)

2.骨董店『Mystique』★★★★

後の9thアルバムの元ネタとなる楽曲。9thアルバムの謎を解いたリスナーなら歌詞を見てニヤリとするだろう。
冒頭のワルツから北欧メタル風に切り替わる展開はとても美しく、幻想的である。
特に何かたくらんでいるかのようなベースは意外と癖になる。

3.万華教の人々★★★☆

後の8thアルバムの元ネタとなる楽曲。
モダンなリフと妖しげなクリーントーンが交互に切り替わる演奏はかなり胡散臭い。
さらにメロディもクサくて怪しい("妖しい"では無いところがミソ)。
途中で入り込むピアノが必要以上に透明感を運んでくるから手に負えない。

4.マダム・ヴァイオレット★★★(★★)

美の理、それこそ私と豪語するドSマダムをテーマにした優雅なクラシカル歌謡曲。
後に楽曲の主人公が主役となる10thアルバムがドロップされた。
チェンバロで始まり、アンナ嬢による上質なソプラノ、さらにはストリングやギター、パーカッションにいたるまですべてが優雅さを保っている。
途中から疾走するが、優雅さは相変わらず。が、歌詞はドSというギャップがたまらない。きっとMな人々にはギュンギュンクるトラックだろう。
※Mの方は括弧内の星が追加点となるでしょう。

5.純潔パレード★★★★

珍しくメジャーで聴けそうなポップ系ロック。
キラキラとしたサウンドとヘヴィサウンドはこれがまた北欧メタルを髣髴とさせ、
加工されたヴォーカルもあいまって、かなり甘いトラックとなっている。
まぁ、歌詞を見た一部男子はこの主人公をぶん殴りたくなるだろうが...スイーツ脳だと思えばw
しかし...本当に六弦アリスとは思えない明るい曲だな。

6.星をみる人★★★★☆

決してあの(ある意味伝説の)FC用ゲームとは関係無い...多分。
ソプラノスキャットとR&B調のリズムから、ものすごい方向展開したなとビックリした。
リズム隊が激しくなる箇所があるが、それ以外は穏やかで美しいバラード。
それまではかなり生っぽい曲が主体だったので、新しい方向性といえるのではないだろうか。

7.独裁者ノススメ★★★★★

物々しいストリングスを狼煙としてクワイア、リズム隊、ギターの順に並び、爆走開始。
彼らとしてはおそらく最速といえるメロスピサウンド。
歌詞のアジテート具合からして、きっと、ライブでは相当盛り上がるであろう。サビも一気に盛り上がる感じとなっている。
歌詞にあっていないのは仕方ないが、それをさしぬいて曲のクオリティは高いと言える。

総評.★★★★

同人音楽サークル六弦アリスの7枚目のアルバム。7枚目だけに曲も7曲w
今回は予告編的な位置付けで、7つの物語を展開している。実際に2曲目と3曲目は以降のアルバムテーマとして取り扱われている。
4th~6thまでに展開していたゴシックサウンドも健在だが、今回はかなり実験的な要素が強く、
本当に5ヶ月弱で作成したのか疑わしいほどの完成度である。
オムニバス形式ゆえに仕方ないが、散漫とした印象が強く、アルバムとしてのまとまりは薄い。
強くは勧められないが、これまでの音源を気に入っているのなら手にとって見てよいだろう。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)