* アーティスト名 : りあ・でぃぞん

19th.340-343 : 名無しのエリー2008.08.26.

1.Step into my world★★★

オルゴールのイントロから始まる、オープニングらしい爽やかなハウス系ポップス。
ふかわの作る曲のような可もなく不可もない無難な出来で、仕掛け所が無いが、リアが比較的声質に恵まれているため耳馴染みが良い。
特に歌唱力を要求する曲でもないし、この路線は向いてるのかも。

2.Love Paradox★★

何だか音選びが古臭いR&B。曲は定番というか、だいたいメロディ展開の予想がつく平凡な出来。
歌唱力も、グラビアアイドルに要求されるレベルはクリアしているものの特に高くはなく、全体に曲が軽い印象。
さらっと聴けるという意味ではアイドルっぽくはある。

3.LOVE SWEET CANDY★★★

さらに音が高音に集まり曲が軽くなるが、そのチープさにアイドルポップ特有の味がある曲。
ミュートギター、エレピ、オルガンがそれぞれ細かい音符で紡ぐユルいバッキングがなかなかキュート。
和のテイストのAメロも不思議な魅力がある。
無理矢理くっつけたようなサビは少し違和感が。

4.Without a good-bye★★

ここでロックテイストを加えたバラード。曲は至って普通で、聴きやすい。
カエラ作品のような、クリエイターの才能発揮の場とする方向性ではなく、広く一般の人に聴いてもらう方針なのだろう。
悪くはないが、これといった実験要素がなく、リアの歌もパワーが不足気味で物足りない。

5.Vanilla★★

ミヒマルのようなパーティーチューン的ポップス。曲はやはり普通だが、耳馴染みは良い。
歌唱力とのバランスを考えたらこの位のユルさの曲が丁度いいのかもしれないが、何か決め手がないとすぐ飽きてしまう気が。
リアは技術は足りていないが歌心自体はあるようで、Aメロでは抑えた歌い方をしたりしているが、
悲しげな発声のせいでミヒマルより随分暗く感じる。明るい曲は不向きかも。

6.Nothin' to Lose★★

「ディス・イズ・リア・ディゾン」とか「レッツゴー」とか言いながら絡んでくる男DJに引くR&B。
今作の共通項として重低音を避けて作られており、チャチだがあっさり聴ける。
リアもそれなりにこなせている印象だが、別にR&Bの隠れた名曲とかではない。普通。

7.Lost at Sea★★

本人が作曲に共同クレジットされているロック調バラード。
どこまで本人が関わっているのか分からないが(メロディだけっぽい)、
他曲と比べて遜色のない出来。Dメロなんかはグラビアアイドルが作曲しそうもない感じ。
作曲するということを初めて知ったが、実は前作でもやってるらしい。
もうちょいシンガーソングライターをアピールしてもいい気がするが、絢香がやりすぎたので大人しくしてることにしたのか。
曲は普通だが歌の力強さはやはり足りない。

8.Communication!!!★★

なぜかR&B路線はちょっと懐かしめの曲調が多く、アルバム表題曲のこれも何だか半端な印象。やはり普通。
長所にも短所にもなり得るような隠しスパイスは無い。ある意味これが表題曲だということが今作の普通度を象徴しているのかも。
本人独特のカラー全開、リアリアにしてあげる的な路線ではなく、そこそこのBGMとしてまとめる路線という感じ。

9.Not Too Bad★★★

アルバムの表題曲は前曲だが、実際にアルバムの内容を端的に表しているのはこの曲な気がする。
勿論そんな売る気のないタイトルつける訳ないと思うが。
作り込みすぎないハウス調の曲に、melody辺りに近いリアの澄んだ声が乗る。
特に濁音の発声がちょっと丸い感じなのがキュートで心地良い。
名曲ではないが、悪くはない。

10.BxKxRxxx

本人が作曲に参加したことが聞いた瞬間分かるような、ちょっと素人臭い曲。ロックな路線が本人希望なのだろうか。
80年代打ち込みロックとして始まるが、これはニューウェーブのリバイバルというよりCCBとかトムキャットとかの路線な気が。
サビ前のブレイクでは台詞が入ったり、詞がやたら青臭かったり、途中で早口になったり、でもパワーが不足してたり、
その懸命な感じが逆に味だったり、といった曲。誰かに似ている…。

11.Under the Same Sky★★★

コーラスと一緒にシンセの音像に溶けるようなサビの歌声が心地良いバラード。今作中ではかなりアレンジを作り込んでいる曲か。
リアには陽気な詞より重めの詞のほうが合うようで、Aメロもかなりしっくり来る。
ダイナミックに歌い上げすぎないことで逆に良さを発揮した曲。

12.Thank You★★

やっとR&Bらしい低音が登場するラストナンバー。
曲の出来は悪くないが、似た種類の曲が大量に出回っているので既聴感があり、
そうした他のシンガーに比べやはり歌が少し軽いのが難点か。
締めを壮大なバラードでなくミドルテンポのあっさりした曲にしたのは今作らしい。

総評.★★

グラビア界の黒船と呼ばれる米・フィリピンハーフのタレント、リア・ディゾンの2nd。
基本的に奇抜な要素や、いかにもアイドルな媚び要素を入れずに仕上げており、
もう何度書いたか分からないが耳障りが良く、悪くはない普通の作品。
癖がなく、スルメ度もかなり低いので、単体を集中して聴くのは不向き。
製作サイドの意向としてもBGMとしての立ち位置を狙っているように思える。濃いものが好きな人にとっては聴くだけ時間の無駄かも。
アイドルなので歌唱力はこの位で充分とは思うが、歌については意外と伸びしろがありそうな印象。
彼女は全くの棒歌いとか、全部全力で歌うとかいうタイプではなく、本人に意識的に表情を変えようとする意志があるので、
体現できる技術がつけば声質を活かした良いシンガーになるかも。
タレントとしての本人も外タレらしいハッキリした物言いや派手な行動、わがままぶりをあまり見せず、
変な枠の紅白出場や、もっと変なカップリングでのシャンプーCM出演も断らないほど謙虚にやり過ごしているように思えるので、
ある意味飾らない本人らしさが出た作品か。
おそらく本人も「このCDを生涯大事に聴くのはもしかしたら自分1人だけかもしれない」くらいの空気作品な覚悟があるのでは。
音楽史的には空気だが、少しだけ澄んだ空気かもしれない1枚。

(★5個が満点。)