* アーティスト名 : わけしまかのん

21st. 136-139 : 名無しのエリー2009.03.17.

1.sweet ticket★★

甘ったるいチェロによるインスト。もちろん、演奏は分島本人によるもの。

2.真紅のフェータリズム★★★★☆

攻め立てるようなリズムとチェロが特徴的なアルバムでのリードトラック。分島自身も負けじと力強く歌い上げている。
なんとなくだが、マリスやMoi dix Moisを連想させるような旋律なのはコンポーザーがMana様だからだろう。
ゴシックサウンドとしては随分と攻撃的なので、インパクトはある。

3.鏡★★

妖しげな世界観をもつダークゴシックポップ。終始、息を潜めるかのようなピチカートが鳴り響き、どこが儀式めいている。
低音も妖しくて気持ち悪いが、それがたまらない。
ただ、これは強く歌う必要はないのでは?

4.still doll(album ver.)★★★★

前半に歌を持ってきたデビューシングルのアレンジバージョン。
終始、ダークな空気を纏ったアレンジを醸し出し、微塵もポップさを感じない。チェロ演奏も歌うように、妖しくバックの演奏に絡みつく。
ゴシックサウンドとはなにか...それを体現している良作である。
おとなしめではあるが、ゴシックファンには十分通用するだろう。

5.マボロシ★★★☆

ン?似たような曲をMALICE MIZERで聴いたような...
というわけで、分島版マリスポップス。本気でマリスで歌われてそうなポップスだよ。
爽やかなメロディラインと優しい歌い方を意識した分島の歌唱がマッチしている。
反して、ドラムは終始、せわしなくリズムを刻んでいる。

6.アンニュイ気分!★★★★

ぬこの声に萌えたw
曲はすごく愛らしいガールズポップス。所属バンドを考えると、すげぇ異端w
妙に攻めるような低音と可愛らしい声とシンセが妙なギャップを産んで面白い。
メロディラインが一昔前の鈴木亜美が歌いそうなポップせいを秘めている。
日常の音をオープニングと前奏に持ってくる辺りが、日常風景と心情の吐露を上手く切り替えていると思う。
なお、星の評価が妙に高いのはぬこの声が聞こえたからw

7.砂のお城★★★★

2ndシングル。こちらもタイアップ先を意識してか、えらくダークなゴシックポップ。>
流れるような歌唱とジワジワと攻め立てるようなストリングス隊が特徴。
あまりにダークな曲調のため、一般ウケはしにくいが、ゴシックとしては良い出来。
ただ、ビートを強くするとビョークっぽいなとも思った。
終始、あのクマに変身するPVがちらつくんだよなぁ、この曲を聴くと。

8.Monochrome frame★★★

海岸沿いを思わせるSEから始まるスローチューン。楽曲はいなくなった恋人を歌っており、そのせいがえらく寂しげ。
ハモンドオルガンと歌謡曲のようなメロディラインが引きずるような重さを引き出しているように思う。そして、珍しくチェロが出てこない。
流石にこの曲調ではチェロを出すのは難しいと判断したのだろう。

9.L'espoir ~魔法の赤い糸~★★

再び、甘ったるいポップス。...なんだけど、チェロが入るとクラシックっぽい。
本当に妙に浮いている。カーペンターズの曲にチェンバロが入ってる感じ。
これが越路吹雪が歌えば、すごく様になるのだが、分島だとフレンチポップみたい。
それが悪いってわけじゃないんだけど、ちょっと可愛すぎるかな。

10.黒い鳥籠★★★★

2曲目以来の高速ゴシックチューン。そして、デビューシングルのカップリング。
歌い方が妙にどっかの林檎さんっぽいが、曲に合わせようとしているのがわかる。
インダストリアルビートとシンセに這うようなチェロが不思議な一体感を出している。
おそらく、2曲目と並んでパワーのあるトラックだろう。

11.skip turn step♪★★★☆

2ndシングルカップリング。またも可愛らしいゴシックポップス。歌詞はお天気雨の日の学校の放課後をイメージしたらしい。
優雅なストリングスを跳ねるようなベースとドラムが軽快さをつけたし、分島も楽しげに歌っているのがわかる。

12.白い心★★★

これまではストリングス+シンセ+打ち込みリズムが主体だったが、ついにピアノが登場。
もう、魔女にはなりたくないという心情を歌っている。
それにしても、ピアノがここまで心地よく響くのは音響の勝利か?
そして、こういう曲にはチェロはすごく映えると思う。

13.sweet dreams★★

そして、オルゴールの音で幕は下りる。優しげな旋律を奏でるアウトロ。

総評.★★★☆

Moi dix Moisリーダーであり、MALICE MIZERのブレイン的存在であったManaがプロデュースを手がけたチェロ・ヴォーカリストの1stアルバム。
全体的にフランスやオーストリア等で流行ってそうな甘いポップスとダークトーンで彩られたゴシックポップスが大半を占めている。
全体的なクオリティは総じて低くはないのだが、一般受けする要素は少なく、
少なくともゴシックカラーを纏っている間にブレイクすることはないだろう。
しかし、彼女の持ち味であるチェロを捨てるのはもったいないので、
今後はゴシックやヨーロッパ系ポップス路線を軸に、さらに引き出しを増やすのが当面の課題と言ったところだろう。
ライブ映像も見たが、やはりチェロを弾きながら歌い上げるのは相当の体力が必要となるので、体力もつけてもらいたい。
少なくとも、スタジオレコーディングでは懸命に曲に合わせて歌おうとするスタンスが見られるので、成長の見込みがあるのは確か。
MALICE MIZERやbond、ALI PROJECTが好きなら手にとってみるのもいいだろう。
普通のJ-POPファンにはちょっとばかりハードルが高いので、シングル2枚をレンタルで聴いて、平気だったら借りてみてはどうだろうか。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)