* アーティスト名 : えれふぁんとかしまし

21st.27-28 : 名無しのエリー2009.03.01.

1.「序曲」夢のちまた★★★★☆

演奏は穏やかに、歌声は激しく。戦前の歌曲みたいなメロディが良い。
後半一瞬ヒートアップする宮本の歌声はまさに「絶唱」。擬古文みたいな歌詞も沁みます。

2.うつら うつら★★★★

これも前曲と一緒。
歌曲のメロディにストーンズ直系の横ノリグルーヴ、明治時代の私小説みたいな歌詞、宮本の静かで熱い叫び。

3.上野の山★★★★

感触としてはThe Whoに近い。サビでジャーンとコードをかき鳴らして、その上に重ねる前向きな歌詞と叫び。
相変わらずメロディは歌曲っぽい。

4.GT★★★☆

一番所謂ロックっぽい曲。いや、今までも楽器隊はロックど真ん中だったんだけど、曲自体がどこか日本的だったからね。
こっちの方がWhoっぽいかな。全体的にシャギシャギしてて快い。

5.珍奇男★★★★☆

エンケンみたいな弾き語りで始り、壮絶なロックンロールへと展開していく。
歌詞の何とも言えない厭世感がたまらんねです。

6.浮雲男★★★★

ここにきてちょっと力の抜けた曲。うん、こういうのも良いです。

7.見果てぬ夢★★★★★

アルベジオに乗せてゆっくり歌ってたかと思えば、いきなり叫びだす宮本。凄い、もう呑み込まれる。

8.月と歩いた★★★★

最初は弾き語りだけど、歩いたというだけあって途中からベースが躍りだす。歌詞も大変なことになる。
と、思ったら最後はしっとり終わった。
今までは昭和初期って感じだったけど、これは昭和40年代って感じのメロディ。

9.冬の夜★★★★☆

静かな三拍子の弾き語り曲。ボーカルだけでぐいぐい引っ張るねぇ。

総評.★★★★★

エレファントカシマシの3rdアルバム。個人的に彼らの最高傑作。
まずとにかく歌詞が凄い。宮本の文学的才能が爆発していて、これは歌詞じゃなく「詩」。
正直言って演奏に特筆すべき点はあんま無い。ストーンズの影響下にあってとてもオードソックスだからね。
ただまぁ何と言うか独特のグルーヴってやつですか、そういうのはあるんじゃないかな。ロックじゃなくてロックンロールって言う感じ。
で、演奏がそういうのの割にメロディにはとても日本的情緒が溢れていて、沁みます。
宮本のボーカルも、昨今の陳腐で形骸化した「叫び」ではなく、本当の心からの叫びで心を掴んで離しません。
バブル絶頂、バンドブームの時代にそれに真っ向からNOを突き付けるようなアルバム、今だからこそ響くところもあるような。
BGMには向かないかな。ちょっと鬱な時なんかにじっくり聞いてみると良いかも。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

11th.920-921 : 名無しのエリー2006.03.21.

1.男は行く★★★☆

Single曲。リスナーを寄せ付けない歌詞が凄い。
冒頭の「あ~」のシャウトが魅力的。そこから独自の世界観に引き込む作りはAlbumの1曲目に相応しい。
メロディーは全くキャッチャーでないから、あまり知らない人にはツラいかも。成ちゃんのベースラインがかっこいい。

2.凡人~散歩き~★★☆

歌詞は散文のようでとても良い。無情感や憤りがしっかり描かれている。しかし、メロディーは…
初めて聞く人は#1、#2で疲れるだろう。

3.too fine life★★★★

石君との共作。ポップな曲。雨の日の虚しさを歌っている。
息抜きになるのでは。

4.偶成★★★★★

人生を歌う名曲。20代にしてこの曲を完成させたミヤジは流石だと思う。
とにかく素晴らしい。歌詞、メロディ共に最高の出来だ。

5.遁生★★★★☆

12分に渡る大作。今で言うNEETのような男を歌う曲。
ちょっと作り過ぎの感じは拭い切れないが、途中の掛け合いなどは、ミヤジにしか作れないだろう。
ストリングスとして千住明氏が参加しているが、あまり活かされていない気も…

6.月の夜★★★★

前曲とはうってかわって、3分程度の小品。
短い中に歌詞もメロディーもドラマチックな展開があり、Albumを一層際立たせている。

7.晩秋の一夜★★★★

またしても10分を超える大作。
スローテンポで5分位からずっとミヤジのハミングなので少し飽きてしまうかもしれないが、
そのハミングも様々な想いが詰まっているのがよく分かる。
聴けば火鉢で暖を取る寂しげな男の姿が浮かんで来る。

総評.★★★★☆

エレファントカシマシ最高傑作との呼び声も高い一枚。ミヤジの若い力が伝わってくる。
残念なのはご存じの通り、ミヤジのVo.とGu.の音しか聞こえず、他のメンバーの印象が薄いことである。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

28th.240-241 : 名無しのエリー2016.11.05.

1.この世は最高!★★★★

前作で「右往左往で あくびして死ね」と歌っていた彼からは考えられないくらい詞も曲調もポジティブで一曲目としては申し分なし。
バンドサウンドも前面に出してきてロックバンドとしての存在感をこの一曲で十二分に発揮している。

2.もしも願いが叶うなら★★

ボーカルを重ねたりして実験的要素の強い曲。途中でハープも。
歌詞は暗いが以前のアルバムで漂っていたやるせなさ・重苦しさとはちょっと違う感じ。
アウトロで町の喧騒をサンプリングしたりしてるがちょっと長すぎるか。
1曲目と3曲目に挟まれてイマイチ影の薄い曲。

3.東京の空★★★★☆

イントロの力強いカッティングからトランペットの音が鳴り響く3曲目にして12分を超える大曲。
宮本氏のVoもここに来て最高に極まっている。以前までの彼とは別人のように綺麗で伸びのあるシャウトを聴かしてくれる。
電化マイルスとはまた違う、トランペットとバンドサウンドの化学変化。
これ聴きながら東京の空の下を歩いたらたぶん泣く。3曲目にして今作のハイライト。
ただ無理して次の曲に繋げるがために余計な音を入れたのは唯一の失敗では・・

4.真冬のロマンチック★★★

あまり冬の曲っぽい感じはしない。
Kyon(ex.BO GUMBOS)のピアノのためなのか大学の友人同士のおちゃらけたパーティーみたいなポップなメロディ。
間奏で妙にバンドっぽさを意識したのかギターをつま弾いたりベースが前面に出たりする。

5.誰かのささやき

うーむボーカルをサビで重ねすぎて肝心な部分が聞こえづらいという失敗曲、という印象
詞も一曲目と言いたいことがかぶってるような・・

6.甘い夢さえ

ドラムがやたら大きい音してるけど正直それだけ。

7.涙★★★

アコギ弾き語り。ちょっとダレてきたかな~と思ったところでこの曲は正解だとおもう。
気分を変えてアルバム後半へ。

8.極楽大将生活賛歌★★★★

シングル曲。軽快なアコギを軸にしたポップロック。
ちょっと不器用で朗らかな一家の大黒柱視点の歌詞が面白おかしいが聴いてるとなんだか元気が出る。

9.男餓鬼道空っ風★★★★

前曲のバンドサウンドを前面に出したような感じ。曲間の掛け声が面白い

10.明日があるのさ★★

このアルバム中唯一のストリングスを使用。
こういう曲は結構長めだがさらっと2分半で終わる。

11.星の降るような夜に★★★

マーチのようなメロディで楽しげ。これこそ学生時代を思い出す。
Tr.3でもあった町の喧騒のサンプリングがここでも登場。

12.暮れゆく夕べの空★★★☆

Tr.3を彷彿するロッカバラード。
今作は別撮りのボーカルを重ねて使用する曲が多かったがこの曲はその集大成。
決してボーカルの邪魔にならず夕暮れの雰囲気をこれでもかと醸し出している。
宮本氏のボーカルの表現力・歌唱力にはただただ圧倒。
ちょっとハミングがしつこかったり途中に入る男女の笑い声が少し不気味なのがちょっと残念

総評.★★★★

EPIC時代最後の作品となった今作。この後ポニーキャニオンへ移籍し「今宵の月のように」「悲しみの果て」でブレイクを果たすのは後程・・・
前作までの憤り・厭世的な詞・宮本氏の絶叫はなくなり、とにかく詞・曲とも良い具合に前向きで肩の力が抜けた名盤。
ポニーキャニオン時代の3作品を聴いた後に是非。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

18th.437-439 : 名無しのエリー2008.07.26.

1.ガストロンジャー★★★★☆

ここまで曲という概念をぶち壊した曲は邦楽史上なかっただろう…。今でもここまで破壊した曲はないと断言できる。
岡本太郎が00年に生きていて団塊世代の下の世代についての音楽を作ったという感じ。まさに爆発しています。
インダスタル風のヘビーな打ち込み音で形成されたトラックの上に宮本さんががなりながら暴れている…。
そのメッセージはかなり強烈なものでまさに宮本さん自身そのもの。ひとつの音符にどれだけのメッセージが乗ってるのだろうか…。
歌を歌うというよりも聞き手一人ひとりに語りかけるような説教するような…。とにかく、強烈。本当に強烈。
そして、こんなに情報量が多い歌詞なのに心には残っていてもう一回聴きたくなる……禁断の曲。
さらに、かなり強引な多重録音の効果もあり強烈で混沌とした空気感を出していてまさにエレカシの「怒」の部分を凝縮している。

2.眠れない夜★★

正直、前曲のインパクトが凄すぎてあんまり印象に残らない曲。曲の最後のほうで宮本さんが叫びまくってます。
だらだらしたテンポでのんびりと進んでいき、特に盛り上がりもないまま淡々と流れていく。ドラシンバルが随所に盛り込まれている。
ギターソロの後に静かになり宮本さんが裏声で歌うところがこの曲唯一のポイントかな。

3.ゴッドファーザー★★

こちらはちょっと早いテンポになる。しかし、このアルバム全体に言えることだが打ち込み音の音量がうるさい。
途中でキーキーとカン高い効果音が入ってきてちょっと不快感を感じるかも。ここでも、宮本さんは壊れています。

4.good morning★★☆

自己主張が激しいベースラインが印象的。「俺マシュマロ」なんてへんてこな歌詞も随所に入ってくる。
2番目の歌が終わったところでいきなりミディアムテンポから三倍くらい速くなってへんてこな間奏が始まるそしてまた元通り。
この意味のない間奏がこの曲の不気味さをより引き立ててるような…。無駄に重い打ち込み音もさらにカオス。

5.武蔵野★★★☆

宮本がドラムをたたいているのも珍しい。今までの強烈で混迷とした流れを断ち切るように非常に穏やかな空気が流れている。
青春ベストにも収録されている曲で一般的なエレカシのイメージに合いそうだがこのアルバムの中では異色の曲。
ミディアムテンポだが奥は熱い物が流れているというか…ギターソロの後の盛り上げ方が良い。武蔵野に行きたくなる歌詞も良い。
しかし、曲が終わったところでいきなり不吉な音が流れ始めていい感じの空気もぶち壊し。

6.精神暗黒街★★

もう曲名が凄まじい。その割には曲自体はそんなに印象に残らない普通の曲。
ポップといえばポップ…

7.情熱の揺れるまなざし★★

こちらもあんまり印象に残らない曲。曲間で宮本流ラップを披露しているがどちらかというと酔っぱらいがぐたぐた言ってる感じ。
曲の展開はいい感じなのだが打ち込みの影響なのかあんまりエレカシという空気もなく宮本が歌ってるだけという感じ…。

8.I am happy★★☆

気の抜けた風にふざけた感じでルーズに歌ってる歌声が逆に新鮮。また、曲自体もかなりルーズで気が抜けてる感じである。
しかし、このアルバムではうまい具合に息抜きができている。後半では宮本さんが気が狂ったコーラスも聴けますw。

9.生存者は今日も笑う★★

打ち込み音が無駄にうるさい…。絶対曲に合ってない音だと思う…。
後半になってきてアルバムもだんだん狂ってきた…。

10.so many people★★★☆

ドラマの主題歌になったシングル曲のアルバムver。
シングルではバンドサウンドだったかこのアルバムに合わせるために打ち込み音を主にしたストレートなサウンドに仕上げてあるエレカシ流ポップロック。
等身大な歌詞とストレートな演奏がうまく融合していてなんか今までのエレカシにはない新鮮な空気を出していてなかなか。
世間ではシングルverが人気なようだが、自分はシンプルな感じが好きなのでこのアレンジのほうが好き。

11.Ladies and gentlemen★★★

15秒の曲。というか宮本さんがタイトルを叫ぶだけ。素晴らしい

12.コール アンド レスポンス★★★☆

ヘビーなバンドサウンドに「神の意志を発表します。全員死刑です。」、「死刑宣告」などかなり重い歌詞を乗せた問題作。
命というテーマをここまでストレートに表現している歌詞はなかなか見つからない。非常に素晴らしいです。
最後らへんに宮本さんが半分狂った裏声で歌い、叫んでいてさらに曲は混とんとした空気になって終わりに近づく。
しかし、最後に演奏が大人しくなって宮本さんから生きようぜという趣旨のメッセージが流れて終わる。
変に偽善者ぶったメッセージソングより響く。

総評.★★☆

2000年発表の作品でエレカシというより宮本さんのソロ作品てな感じで実際に曲作りの半分は宮本さんとディレクターの根岸さんによるもの。
人気がある状態でこんな挑戦的な作品を出すのはかなり勇気のある行為なのではあるのだがこれ以降エレカシは長い低迷期に入る…。
実際このアルバムも整理されてない感じでアルバムとして評価するとそんなに高くなく低い評価にどうしてもなってしまう。
エレカシというバンドがあるのに打ち込み音を多用しすぎたために色がなくなってどうしても宮本さんのソロ作品という印象になってしまう。
しかし、その中にもガストロンジャーという名作も収録されていて「武蔵野」などシングル曲の出来はいい。
まぁ、安く売られていたら聞く価値はあります。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

3rd.194 : 名無しのエリー2002.09.22.

1.部屋★★★

のっけから変な歌い方。パーカッションはセンス良い。高音部ちょっとキツイ。

2.女神になって★★★☆

ドラムの音がどっしりしてる。バンドサウンドのまとまりを感じる。詞はヘン。

3.面影★★★

メロディは好き。それ以外は特になし。

4.暑中見舞 -憂鬱な午後-★★☆

シングルで聴いたときはあまりのショボさにショックを受けたものだが、アルバムでは普通に聴ける。
もっとストレートなアレンジの方がよかったのでは。

5.普通の日々★★★

バラード。まあ、普通にいい曲だと思う。小林武史作詞の意味がよくわからない。

6.かくれんぼ★★☆

抑えめなピアノがよい。ただ後半遅い曲が続くので、ちょっと印象ボヤけるかな。

7.秋 -さらば遠い夢よ-★★★

アコギ弾き語り。詞が好き。今の季節にも合ってる。

8.真夏の革命★★★★

詞が面白い。哀愁なんだけどユーモラス。

9.あなたのやさしさをオレは何えよう★★★★

やはりこれでクライマックスなのかな。リズム隊とホーンの絡みは気持ちいい。

10.マボロシ★★★

小品ながらまとまった曲。

総評.

総評としてはいい。二年掛けただけあってメロディに手癖感は少なく、小林武史もいい仕事してる。
ただファン以外にアピールする作品でもないのは確か。新作はまた違う路線だといいんだけどな・・・

(★:2点,☆:1点の計10点満点。総評は星評価なし。)

8th.170-173 : 名無しのエリー2004.05.16.

1.歴史★★★

森鴎外の生涯について歌った曲。「死に様こそが生き様」と歌い上げるミヤジを鴎外に投影しつつ聞くと良い。
ただ「歴史ぃ~ソング」の連呼は若干萎え。

2.化ケモノ青年★★★

先行シングル。エレカシ初心者にも聞きやすい。エレカシ流ポップソング(語弊があるかも…汗)

3.地元の朝★★★★★

8分を超える大作。最初はもっさりしてて何だかなぁ~と思っていたが、6分半から曲が劇的に変化する。
これは最初聞いたとき鳥肌が出た。ヤヴァイ。

4.生きている証★★★★

先行シングルC/W。正直3.との組曲になってるんじゃないか?という位アルバムの流れにピシッとキマっていた。曲順の勝利。

5.一万回目の旅のはじまり★★

ここで一気に縦ノリモードへ。ただ、個人的にはあまり印象に残らなかった。
ライブ映えしそうな曲なので、ライブで聞いたらまた変わるかも。

6.ディンドン★★★

何じゃこりゃーーーエレカシ風歌謡曲路線? だが今までなかったタイプの音は逆に新鮮だった。

7.必ずつかまえろ★★★

6.の流れを組みつつ少しロック色が強まったナンバー。 ひさびさに「イェーィー」と叫ぶミヤジキター。

8.星くずの中のジパング★★

ささやきロック。6.7.の後だからか若干、中だるみ感があるかも。
「もーいっかいいってみよぅ」ワロタ。

9.イージー★★★

ここで個人的に好きな風景描写系の曲。アルバム『Good Morning』の「武蔵野」に通じるものがある。
ドライブしながらマターリ聞いたらなんか良さそう。

10.傷だらけの夜明けに★★★★

シンプルな弾き語りスタイル。こちらはアルバム『明日に向かって走れ』の「月夜の散歩」系。
ココロに染みます。

11.パワー・イン・ザ・ワールド★★★★

と10.でマターリしていたら、いきなりアルバム『俺の道』色全開の絶叫ロック。
とにかくアルバムの一曲に埋もれさせるにはもったいない位。終わり良ければ~とは良く言ったもの。

総評.★★★

前作と比べてやや落ち着きというかまとまりのあるアルバムで聞きやすい。初心者には入門盤として聞けると思う。
ただ、前作・前々作を知ってるファンが聞くと若干物足りなさも残るかも。

(★5個が満点。)