* アーティスト名 : どーず

13th.930-932 : 名無しのエリー2007.01.14.

1.ウォークマン★★★☆

アップテンポのポップチューン。アルバム一曲目としてはいい出だし。

2.明日は来るのか★★★★☆

デビューシングル。
イントロの重いギター・前半にためてサビで爆発する構成で、評判が良いが割と異色な気も。
これで知った人が他の曲聴いてイメージと違う、って言ってるのをよく聞く。
Bメロの「やれやれやれやれやれ…やれ!」が好きw

3.田舎のライダー★★★☆

これも結構イントロ重い感じ。ギターの音にシンバルがかぶさり1.2.3.4の掛け声でエンジン始動みたいな。
盛り上がりどころが後半にならないと出てこないのだが、短い曲なのでダレる感じもあまりしない。
サビの「行けライダー」の歌声が非常に良い。

4.愛が見えた★★★

ボーカルの声質と曲調が合ってない気がする。短い曲。
この曲に限らないがカタツムリを「マイマイ」と言ったり、言葉のチョイスセンスが古臭さとカッコよさの微妙なライン上にあるので、
そこをダサいと思うかどうかでも評価変わるんじゃないだろか。

5.赤いサンデー(ALBUM MIX)★★

2ndシングル。確かかなり古い曲らしい。
自分としては★5つ付けたいのだが、
最初に聞いたときAメロの浮遊感(というかドラムの単調さ)にダレダレできちんと聞かなかったことを思い出して減らしてみた。
物凄いスルメ曲で、聞けば聞くほど好きになっていくと思う。オムニア色がいまだによく分からん。
アウトロの終わり方がちょっとダルい。次の曲へつなぐため?

6.ダンス・イン・ザ・ムーンライト

アルバム中、唯一5分を超える曲。ミドルテンポ。正直ダレた。

7.ロストワールド★★

カッティングから始まる。早い。ギターソロもあるのだが短くて印象は薄い。

8.地下鉄曲

暗い。テクノっぽい音を入れればもっと良くなりそうな気がしたけど、ライブで再現できなくなるな。
あんまボーカルいじらない方がこのバンドには合うと思う。でもこの曲はボーカルいじらないと雰囲気出ない。

9.君は僕の好み★☆

歌謡曲みたいな感じ。まったりしすぎていて前曲と流れが合ってない。
いま気付いたけどタイトルわりと直球だなw

10.都会のスキル★★★

09から緩い流れを引き継いでいるがこちらのがメリハリ効いてる。地味というか物悲しい、でも温かい感じ。
ちなみに03とはタイトルで対比になってるっぽいが、曲自体は全く別物。
ラストが中途半端で、えっ終わり?と思ってしまう。

11.雨の日曜日

最後なのに印象薄い…。ありがちなサウンド、ポップすぎるサビでピンとこない。

総評.★★★

DOES初のフルアルバムにしてメジャー1stアルバム。
少々盛り上がりに欠ける。前半にノリが良い曲が集まってしまい、後半にゆったり系が集まってるので最初ダレた。
重いサウンドを期待するとちょっと外れるが、割と正統的なギターロック。

(後述レス)
聞きすぎてあまり客観的な評価が出来てないかも…
自分は既にヲタを化してしまっているので一応はじめて聴いた時の感じを思い出した

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

28th.42-46 : 名無しのエリー2016.01.15.

1.シンクロニズム★★★★★

タン、タン、タン、タン、という乾いたドラムから重っ苦しいギターが入り、そこから気怠いボーカルが入る。
演奏はシンプルだし曲も短いけれどとてもカッコイイ。「完璧な恋はこうやって作られる」という歌詞が好き
スリーピースながら演奏も計算されている気がする。
個人的に、掴みとしては完璧な曲だと思うけれど、あえて不満を言うなら間奏のギターの音をもうちょっと大きくしてほしかった

2.サブタレニアン・ベイビー・ブルース★★★★

イントロがイエモンのあの曲っぽい!イントロの最中で「お姉さん・・・」とか呟きが入ったら完全にあの曲と間違える!
軽快なロック・ナンバーで、何度でも聴ける。シンプルなのに飽きが来ない。それから歌詞がユニークで面白い。
「世界の片隅であくびをしている野良猫のような目で」という歌詞があるのだけれど、
退屈な学生の日常の描写からなんか一気に世界が広がったような感じになる。良い歌詞です

3.修羅★★★★☆

初のオリコンTOP10にランクインした彼らの代表曲のひとつ。演奏は超シンプル。
よく文化祭とかでコピーされてるし。どのパートも初心者向けに作られているというシンプルさ。
特にエイトビートで突っ走るドラムが良い。短く、激しく、シンプルで。歌詞とメロディの相性も抜群だ。
2番から入るコーラスもセンスあるなあと思います。
シンプルながら聴き手を飽きさせない工夫が凝らしてある佳曲

4.戯れ男★★★★

「たわれお」と読む。歌詞から察するに夜にぶらぶらしている人かな?
よくDOESは和のメロディとか言われるけれど、それが顕著にあらわれている曲。
「身から出た錆が楽しい」「綻びた傘を開いて二人でまた暇つぶし」「浮世の隅に流され紅い月を眺め汗まみれ」
歌詞カードを眺めているとなんじゃそら?と思うような歌詞だが
風景描写に妙な説得力があり聴き手に情景を浮かばせるのがうまいなと思った。

5.ブラックホール・シンドローム★★★★

どこか物寂しさを感じるイントロのギターリフ、対して軽快なドラム。このギャップが面白い。
ベースはおとなしい。歌詞も楽しさは見られず、終始寂しい感じ。
「君」のせいで「ぽっかり空いた胸が塞がらない」。
「たしかに言ったよね」「返事はいい加減なまま」と、歌詞の主人公は心に穴が空いた原因を全部「君」のせいにしている。
どんな状況で、何が原因でこうなったんだ?と思わず首を傾げてしまうような歌詞だ。
「ぽっかり浮いた月が戻らないかぐや姫を待ってるみたい」という歌詞にワタルさんの感性の凄さを感じた

6.オーライとオーイエ★★★☆

深夜の会社にひとりぼっちでちょっと覚醒しているような、そんな歌。演奏もなにやら怪しい。滲み出るアングラ感。
最初はなんの歌なんだろう?と思ったが、
夜中に同じ職場の女性にメールしてOKもらって会いに行って性行為をする・・・と自分なりに解釈した
「Eメールは相互OKです。で、GO!GO!GO!GO!」(メールしてOK貰って会いに行く)
「君と僕はまあまあだけれど最高だったようだ 結果オーライ」(普段の人間関係はまあまあだけれど肉体関係は・・・)
そう考えるとこのタイトルもなんだかいやらしい。
個人的には、途中からの変な曲展開がツボ。あとメロディに対する歌詞の当てはめ方もツボ

7.バスに乗って★★★★★

シングルカットしても良いくらいのキャッチーさと爽やかさを持った曲。
ドラムが気持ちいい。ケーサクさんのドラムは、人間味があって良いなあと思わされる。
なんだか、ドラムに表情があるんですよね
ギターソロでなんか急に失速した感じがするけど、それでも楽しい曲だ。文句なし!

8.色恋歌★★★☆

「いろこいうた」と読む。
最初聴いたとき「凄い和風なメロディだ!」と衝撃を受けて何度も聴いたけれど、
今聴くと他の曲と比べてちょっと物足りないというか、飽きやすいかな
たぶん、リズムが平坦すぎるのが原因だと思う。
メロディは非常に優れていると思うので、演奏をもうちょっと工夫すれば化けたかもしれない。
歌詞は素晴らしい。曲を聴かずとも一度は歌詞を眺めてみるのをおすすめします。

9.チャイナ・マーダー★★★★★

これは詞・メロディ共に高評価。途中の畳み掛けるドラムが良い。それから静と動の使い分けが巧いなと思った。
歌詞はカタカナがやたら多い。危ない街で迷子。隙を見せたら見つかる。
この歌詞が主人公が実際に危ない街に迷い込んでいるのか、
主人公の心情(周りからの孤立?)を表しているのかいるのかはわからないが、
「チャイナ」マーダーというタイトル、所々の風景描写から、前者かなぁ思う。
「けものだらけの街は霧でヘブンみたい」というところがメロ・歌詞ともに好き

10.眠れない夜に★★★★★

最初は「なんか、三月の繋ぎに置いたような曲だなあ」と思ったが、後々聴いてみて、短いながら良い曲だなと思った
ここからラストまでの曲の流れは完璧。
歌詞は、前曲から打って変わって一気に現実に引き戻される感じ
「ねぇ 誰かが言っていた事が忘れられなくてムシャクシャしている」
「どんな時も自分の事ばかりで僕は訳がわからないよ 幸せが欲しいだけなんだ 悪気はないんだ」
など、グサッとくるフレーズが結構多い。
最後は「眠れない夜に吼える」で終わる。
なんとなく共感はできるが、でもよく考えたら、「イラついて眠れない自己中が夜中に奇声をあげる」という割とカオスな曲

11.三月★★★★★

シングル曲。個人的には卒業の歌は尾崎でも3月9日でもさくらでもなくこれ。
DOESお得意のエイトビートにシンプルなコードでジャキジャキ攻め込む曲。
おお!これぞロックだ!と感じるくらい潔いロックナンバー。曲も短くあっという間に終わる。
歌詞は別れがテーマになっていて、シンプルなメロディに切ない歌詞が沁みる。
でも演奏はゴリゴリのロックだから、力強さも感じられるし、寂寥感も感じられるという不思議な曲
その時の気分によって感じ方が変わる曲。これは結構凄いと思う。さすがワタルさん
「瀬戸際の今はすべて すべて忘れて 忘れていたいよ」という部分が特に切ない

12.ハッピー・エンド★★★★☆

ラストは静かなバラードで終わる。三月でわき上がった熱を冷ます感じ。
「特急列車の中で音楽を聴きながらハッピー・エンドはいつごろだとか考える」
音楽を聴きながら夜の電車でぼーっとしてる時って確かにそんなこと考えちゃったりすると思います。
そして曲の歌詞では、答えは満月が教えてくれた となっている。だからあのジャケットなのかなぁ。
「ありもしない予定など立てて適当らへんで切り上げる のんびりやろうぜ ユルさだっているんだって」
なんとなく、背中を押された気になれる曲。最高の締まり方だと思いました

総評.★★★★★

スリーピースロックバンド「DOES」のセカンドアルバム。
個人的には、邦楽史に残って欲しいアルバム。隠れた名盤だと思います。
曲は一番長くて4分41秒。他は殆ど3分台で、トータルでも12曲45分と非常に短い。
とにかく歌詞が他の邦楽ロックバンドと比べても異質というか、唯一無二です。
歌詞カードを眺めていても楽しいのですが、
その歌詞があのシンプルながらも独特なメロディに乗っかった時に大きな衝撃を受けると思います。
ミッシェルでもブランキーでもエレカシでもブルーハーツでも違う、独特の「味」と「日本語詞」のカッコよさ。
それからこのアルバムの凄い所は、全く飽きが来ないこと。
自分はこのアルバムを購入してもう8年になりますが、未だに新鮮な気持ちで聴いています。曲の鮮度が落ちないんです。
こんなにシンプルなのに、曲も短いのに、なぜなんだろう?と毎回思わされる。
ボーカルの氏原ワタルさんのソングライティング能力の高さは間違いないと思いますが、
メンバーの鳴らす音もクールで良。演奏も計算されているように感じます。
この頃の飾ってないDOESが一番好きです。
震災後はやたら明るくストレートな歌詞、がなるような歌い方、キラキラしたアレンジが気に食わないので、
そろそろ原点回帰してほしいなあ と願っています。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

21st.496-499 : 名無しのエリー2009.06.28.

1.曇天★★★★

ひたすら疾走の、シンプルで単純明快なオープニング曲。
Aメロの途中くらいからベースがどんどん前のめりになって全体も加速してくるので最終的にどうなることかと思ったが、
サビ前にそこまでのエネルギーを大きく放るようなタメを作って仕切り直している。
これは爽快。丁寧な演奏とは言い難いが、バンドらしい迫力がある。
空が垂れ込む、耳鳴りが尖る、弱虫をぶら下げる等、動詞の使い方が個性的な詞も面白い。
詞というより詩。

2.レインボウ・セブン

急にありがちな詞になる、パンキッシュなミドルテンポ曲。
メロディもありがちで古臭く、アレンジも最近ではflumpool位しかしなさそうな古臭さ。
ボーカル兼任のギターとはいえ、おおよそパワーコードだけで押し切ってくるうえに、
重ねて録ってるギターもベタなことしかしていないので退屈。
ベースもルート音に張り付き過ぎてるし、リズムの選択肢も無さすぎな気が。

3.ネバー・マインド★★

再びテンポアップして、やはり古めかしい感じの短調の曲に。
相変わらずドラムが考えたリズムパターンに工夫無く乗っかっただけのようなベースが寂しい。
一体感があるというより、一体感しかないという否定的な見方をしたくなってしまう。
「勝手にしやがれ」とか男臭いことを歌う割にボーカルの声が意外とヘロヘロしてるのも何とも。

4.インディゴ★★★

ちょっと演奏が荒い感じがうまく無骨な雰囲気につながってる感じの、ミッシェルとかa flood of circle系のマイナー調ロック。
詞ありきでそこからイメージを膨らませて曲を作っているのか、詞が印象的な曲のほうが全体の出来が良く感じる。
ベースは今までの流れ同様惰性で弾いてる感じだが、この曲にはそのルーズな感じが合ってる。
Bメロのドラムは裏をおさえるスネアのタイミングが遅すぎてリズムがいびつな感じだが、それも結果オーライか。

5.レイジー・ベイビー★★★

新進気鋭の若手バンドにしては古臭い曲が多い印象の彼らだが、ここで確信犯の目を感じさせる曲が登場。
スマートなカッコよさを望む人にはウケそうもない、ダサダサな近藤真彦路線の曲。彼らはまだ80年代に生き、80年代で戦ってるのだろうか。
あまり凝ったアレンジでない事がかえって凝った結果というか、計算されているように思える。「心晴れるや~」あたりが特にマッチっぽい。
1周聴いた後の印象としては、彼らは別にレトロさを意識的に狙ってるバンドでもなさそうに思えたが、天然ならそれはそれでナイス。

6.陽はまた昇る★★

似たような曲が多いので、もう数曲前の曲と区別がつかなくなってくる。古臭くてありがちなマイナー調のアップテンポ曲。
技術が高い人が特にいないせいか、体力勝負の曲がズラリ並んでる印象。
音の厚みを稼ぐ為か、ほとんど同じプレイのギターが途中から重なってくる。
彼らは3ピースでギターはボーカル氏原の1本だけだが、彼はギター1本だけでやりくりする愉しみを見出すタイプではなさそう。
素直にもう一人ギターを迎えたほうが。
詞のほうでは本とかCDの帯で使えそうな印象的なフレーズもあるが、曲は微妙。

7.ワンダーデイズ★★★

パンキッシュでポップなミドルテンポ曲。イエモン時代の吉井が書きそうなメロディを陽気なマーチングドラムが彩る。
バスドラ4つ打ちをしながら更にフロアタムを叩いてるのか、低音がドスドス鳴るサビのドラムが気持ち良い。
ここまでほとんど動きのなかったベースだが、この曲でオカズを入れてるのを初めて認識した。

8.デイ・サレンダー★★

うん、もうわからん。入り方が違うとかで判別は出来るが、例えばBメロだけ聴かされてどの曲のBメロか問われたら分からん。
そんな古臭くてアッパーなマイナー曲。
メロディも似たり寄ったり。ほとんど攻めずにありがちなメロディだけでまとめようとするから尚更もたれるのかも。
彼らの曲はシングルしか知らなかったが、予想以上にインスタントな量産型。
ただ、この曲は今作中ではまだ3人での再現を強く意識してるっぽいところが救いか。

9.夏の散歩道★★

得意?のミドルテンポの昭和歌謡ロック。
詞の通り陽炎が揺らめくようなサビのギターが心地良い。やっぱりギターは常時2人いた方がいいかも。
非常にシンプルな4つ打ちバスドラのイントロは味があるのだが、Aメロのドラムは苦手なパターンに挑戦していびつに。
シンプルにこなしておいたほうがよかった気が。ベースもガチガチにルート8分弾きすぎるような。
1弦とかチューニングする必要ないなこの人。

10.太陽病★★

今作中ではテンポの落ち着いた、じっくり聴かせる感じの曲。
イントロの歌い方でふと思ったが、氏原の書くメロディのルーツはバックホーンかも。
太陽や雨、稲妻などの小道具を使うのが好きな氏原だが、印象としてはこの曲のような夏の太陽が最も得意か。
悪くない曲だが、歌い方がずっとおんなじなのでどうも頭の切り替えができない。

11.君の好きな歌★★★

シンプルに重ねたギターと非常にストレートな詞が胸にくる、後期ピロウズ風の曲。
ゆっくり淡々と進むが、バンドのさじ加減なのか天然なのか、テンポが速まったり戻ったりするのが気になる。
やはり遅い曲を正確なリズムで強弱つけて叩き分けるタイプのドラマーではないのかも。
ギターはいい感じだが、やはり2本入るの前提で曲作ってるように思えるし、今のメンバー編成では今後が不安な気が。

12.世界の果て★★

初期アジカンといった感じのエモーショナルな曲。
今作中に多いアッパーな曲の中では相対的に良い方に入るが、特別演奏が上手い訳でも、実験的要素に富んでいる訳でもないので、
かなり能動的にいい所を拾って聴いてないと苦しくなってくる。
珍しくベースが動き回っており、特にサビではアタックが分かりにくいため、
低音キーボードで大きなサイクルのオブリを弾いてるような不思議な印象を受ける。
ベースとして上手いかはともかく、やっぱり何でもやってみるに越したことはないか。

総評.★★

全詞曲を担当するギターボーカルの氏原を中心とした3ピース、DOESの3rd。
シャッフルやワルツに手を出さず、ひたすら全員一丸となったような8ビートに没頭するさまは男らしくて潔いと言えなくもないが、
単純に出来る事の幅が他バンドより狭いという印象のほうが強いか。
特に短調の速い曲が多いが、どれもあまり凝った出来とは思えず、
氏原の得意な曲調だから固め打ちしたというよりは惰性で書いた曲で埋めたらこうなったという印象。
バンドがそういう曲調を得意とするが故の偏りだ、とこじつけるにも演奏技術が半端。歌も含め、頭一つ抜けて上手いと思える人がいない。
リズムキープにいくらか難のあるバンドなので、粗の目立ちにくいアップテンポを揃えたのはある意味正しいか。
正確さや繊細さに欠け、それでいて大胆さも持ち合わせていないというのは心細い。
ほとんどパワーコードのギターとルート弾きのベースで埋まってしまう彼らのアレンジは、
3ピースバンド中でもかなり大人しい部類に入るのでは。
結果的にそれがダサカッコ良さにつながっている曲もあるが、
全体としては、得意でもない曲調をイチオシしているだけあって、通して聴くにはもたれる内容。
特に歌詞に値打ちを感じない人からすると、作曲も演奏も誰にでも出来そうな曲の並んだ飽きやすい作品かも。
ただ、CD用みたいな嘘臭い加工の後は無いので、ライブを観たら全然ヘタ、ということはないのでは。
技術が足りない分をひたすら運動量でカバーする体力勝負な1枚。

(★5個が満点。)

28th.321-325,327,331 : 名無しのエリー2016.12.17.

1.バクチ・ダンサー★★★

およそ10万枚を売り上げ,オリコン3位を記録した彼らの最大のヒット曲である。
ダンサブルなナンバーで,跳ねるドラムが印象的。アレンジはいつも通りシンプル。サビの前で一度タメるのは『曇天』を彷彿とさせる。
しかしDOESの代表曲である『修羅』,『曇天』と比べると若干中毒性は薄いかも。短すぎるのがいけないのか?
勢いそのままに突っ走るのは彼ららしいが,アレンジにもう一工夫欲しかった。
それでも大サビ前の急かすような掛け声は最高だと思う。
正直,今回のアルバムはこの曲を中心に盛り上げていくのかと思っていたが,オープニングを飾って正解かもしれない。
本作を聴いた後ではこの曲すら霞んでしまう。

2.ロッカ・ホリデイ★★★★★

これぞガレージと言わんばかりのロックナンバー。
まずイントロでビビっとくる。洋楽が好きな人でもこのイントロには反応してしまうのでは?
昨今やたら小難しく印象的なリフに拘るバンドが多いが,これはシンプルな音がガツンと来る。そしてそれが凄く良い。
所々入るキーボードや大サビで更に盛り上げてくるアレンジもクール。3分無い曲の短さも良。
歌詞も,「エレファント象が小さく見えた」などワタル節が炸裂。
それから,「金輪際」というJ-POPでは滅多にチョイスされないであろう日本語を歌詞に違和感なく組み込んできて驚いた。
彼らの成長と,今回のアルバムのカラーが一発でわかる力作。

3.天国ジャム★★★★

これまでDOESが鳴らしてきたシンプルな音による,「わかる人にはわかってくれ」というアングラな世界観ではなく,
「みんなにわかってほしい」と言わんばかりのカラフルな音でこれまでの彼らの世界観をもっとぐいぐいと押し広げていくようなポップな曲。
優しいギターのストロークと鐘の音,そして跳ねるドラムとベースにより構築されたイントロから,
「わかっているだろ この世は天国」と印象的なフレーズでボーカルが入る。
音の装飾が増え,サビではこれまでのDOESの曲では無かった開放感が得られる。ベースの音とリズムも気に入っている。
所々入る鐘の音(チューブラーベルという楽器らしい)も,この曲の世界観を聴き手にわからせるには申し分ない説得力がある。
単純な音だが安っぽくならないのはやはりセンスの問題か。
「星のいない空 僕等は迷子になって」というフレーズは,
情報が分散化した現代には誰もが憧れるスターがおらず,マイ・ヒーローはいるけどアワー・ヒーローがいないという意味が込められている。

4.スーパー・カルマ★★★☆

今作で唯一5分を超える曲。
前曲とタイプが似ているが,サビで爆発する前曲とは違い,
この曲は最初から最後まで広大かつ明るい世界観で攻めている(しかしどこかしら陰を感じる)。
アレンジにはオルガンが導入されているが,この音を聴くとどうしても夕方をイメージしてしまう。
歌詞でも,「君は行く日暮れのスーパーマーケット」というフレーズがあるし。
それから,ドラムがいまひとつパッとしないというか,もたついているように感じるが気のせいだろうか。そこが少し気になった。
「間違えたっていいさ やり直せばいい」という,これまでに無かったストレートな明るいメッセージが響く。
この頃までのたまにスッと入るメッセージ的なフレーズは気にならなくて好きだった。

5.ユリイカ★★★★★

今作で一番好き。DOESの楽曲の中でも傑作と言える完成度だろう。
尖ったサウンドを武器に,氏原ワタルの持つ言語センスとキャッチーながら一癖ある独特なメロディ,緩急のついた展開,
ボーカルエフェクトの効果的な使用,それら全てがうまく嚙み合っており,この1曲からDOESの強い自信と相当な熱量を感じ取ることが出来る。
1番の途中でボーカルフレーズとギターフレーズのラインが重なる箇所があるのだが,
ボーカルフレーズと枝分かれした後のギターフレーズの着地点にセンスを感じた。
最初から最後まで一切の隙が無く何度でも聴ける曲。

6.神様と悪魔と僕★★★★★

イントロが『天国ジャム』と似ているが,この曲はDOESのシンプルさを武器に攻めている。
サーフっぽいメロから,サビではいきなりパンキッシュなサウンドに展開される。
ちなみにワタルさんはこの展開を思い付いたとき,「自分は天才だ」と思ったそう。
神様と悪魔と僕(人間)を並列にしているタイトルが面白い。
3分無い短さだが飽きが来ることなく楽曲の完成度は高いと思う。

7.群青夜★★★

DOESの持つアングラな世界観が進化して再び。ストレートなロックナンバー。ワタルさんの歌い方が妙に色っぽい。
それから歌詞が超カッコいい。「淡いブルー 風にビビるウィンドウ」というフレーズが好き。
また,「燃えるファイアー」と,『ロッカ・ホリデイ』に続いてここでもワタル節が炸裂(こっちはそこまで変でもないか?)。
聴いていて気持ちが良ければそれで良いのだ,と感じさせてくれる。
しかし曲自体はあんまり印象に残らないかな。サウンドは凄くカッコいいが,アングラに寄りすぎて全体的にこもった感じがしてしまう。
怪しげな雰囲気は好きなんだけれども。

8.僕たちの季節★★★☆

『バクチ・ダンサー』のカップリング。どこか優しげで懐かしさを感じるイントロが心地良い。
順に聴いてきてこの曲がかかったとき,アルバムの雰囲気に合わないのではと思ったが,
全体を通した後だと割とすんなり馴染んでいることに気が付いた。
「死せる会話の始まりを君と共感したい」という歌い出しは秀逸。
少ない音数をコーラスでカバーしている様は,これまでのDOESを思い起こさせこれまた妙な懐かしさが・・・。

9.ジャック・ナイフ★★★☆

シングル曲。正直,「あ,いたの?」という感じ。
今作に収録されることは知っていたんだけれども,ここまで聴いていてすっかり存在を忘れてしまっていた。すまない。
エイトビートの勢いそのままに最後まで攻め倒すDOESらしいスタイルの曲。
ギターソロはおそらく難しくは無いのだろうが,ちゃんと「聴かせるソロ」に仕上がっている。
男臭いがどこか美しい歌詞がとても良い。ちなみにPVではメンバーが熱い殴り合いを披露している。

10.サイダー・ホテル★★★

『群青夜』に近い雰囲気を持つ曲。
つまりアングラで,ロックで,そしてこもっている感じだ。というかイントロまで似ているな・・・。
ということで,曲の評価がどうしても『群青夜』と同じようになってしまう。強いて言えばこっちの方が間奏が疾走感あって好き。
「I’m so bored」と,「遊ぼうよ」を繰り返すフレーズはおおっと思った。
言葉遊びと言うよりはダジャレみたいでどことなくダサい感じがするけれどもそれが良い。

11.夜明け前★★★★★

シングル曲。
歌い出しの,「明けの明星 宵の堤防 ラムカラーの 海は無表情」という歌詞のキレが凄い。
そしてそれがメロディにこれ以上無いというくらい綺麗にハマっている。
1番では風景描写,2番では心情描写を描き分けており,歌詞全体を見ても完成度は高く,ワタルさんの比喩表現が強く光っている。
また,DOESの大事な時期に作られた曲というのもあり,メッセージ性も含まれている。
巧みな風景描写と,盛り込まれたメッセージが溶け合い力強い説得力を放っている。
最初に聴いたときは,サビのギターが大きすぎないかと思ったが,何回も聴くとそれほど気にならなくなってくる。
歌詞の割にサウンド(特にギター)は尖っており,バラードにしなかったことが逆にこの歌詞の良さを引き出していると感じた。
サウンド,メロ,歌詞とどれもがうまく絡み合った名曲。

12.波に乗って★★★★☆

フワッとした電子音から始まるラストナンバーは,ワタルさんが亡くなった友人のために書いたというメッセージソング。
軽快ながらも壮大なサウンドで,「負けないでおくれよ あきらめるまでは まだ 終わりじゃないんだ」や,
「一人じゃないから 淋しくはないから」など,これまでのDOESには無かったストレートなメッセージが耳に飛び込んで来るが,
曲調とマッチしているので聴いていて心地よい。
友人のためのメッセージソングだが,歌詞の普遍性は高く万人に響くものとなっている。
また,ワタルさんはONE PIECEが好きらしく,タイトルとも掛けて間奏では「ヨー・ホー」というコーラスが入っている。
聴きやすいメロディで気持ちの良い締めだと思った。

総評.★★★★★

3ピースロックバンド『DOES』の4thフルアルバム。彼らの最高傑作だと思う。
前作は3ピースサウンドをとことん突き詰めたようなアルバムだったが,シンプル過ぎるがゆえ,「アレンジが足りない」と評価されたらしい。
そしてそれに腹を立てたギターボーカルの氏原ワタルによりこのアルバムが作られたのだが,
今作でDOESは新境地を開くことに成功した(メンバーによると今作は「DOES第二章」の一作目だという)。
1stアルバムでは隠し味程度に使用された3ピース以外のサウンド(キーボードなど)を今作では勿体ぶらず使用しており,
それらが曲の魅力を最大限に引き出している。また全体的にギターの音も増え,結果として非常にカラフルなアルバムに仕上がった。
今作は音作りにも拘っているらしく,ワタルさんによると,「国内で使えるアンプとかは1台も使ってない」らしい。
ワタルさんは洋楽オタクらしいが,このアルバムを聴くとそれが良くわかると思う。
彼の音楽のルーツをDOESなりの美学で咀嚼して音を鳴らしているという感じか。
もちろん今までもそうだったのだろうが,今作ではそれが顕著にあらわれている。
音数が増えたとはいえ難しいアレンジはしておらず,わかりやすい音で構築されているが,鳴らされるフレーズ1つ1つに確かなセンスを感じる。
氏原ワタルの書く詞・曲に関してはどちらも絶好調で,メロディは何度聴いても飽きることなく,詞は言葉のチョイス,比喩表現と申し分ない。
残念なのは,『バクチ・ダンサー』のヒットによりセールスも知名度も全盛期だったにも関わらずあまり売れなかったこと,
そして次作のフルアルバムへの期待値を跳ね上げてしまったことである。
それからこのアルバムを,「DOES第二章の一作目」と紹介したが,
これ以降の作品を含め俯瞰して見ると,このアルバムだけ独立しているように思える。
自分は今作を真ん中に置いてこれより前の作品が第一章,次作フルアルバム『KATHARSIVILIZATION』から第二章と捉えている。
彼らを「アニソンバンド」,「一発屋」と揶揄している人にも,洋楽・邦楽問わずロックが好きな人にも聴いて欲しいアルバム。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

28th.50,52-57 : 名無しのエリー2016.01.30.

1.カリカチュアの夜★★★★

謎の歓声から始まる3分弱のオープニングナンバー。
嫌みのないロックでいつものDOESという感じ。前作よりは前々作のモダンエイジに入ってそうな曲。
跳ねるドラムが良いね。コーラスもはしゃいでいるので、ライブで盛り上がりそう。
ワタルさんの解説によると、二次元的な感覚が当たり前になった現代を風刺した曲らしい。
「騒げ騒げ、騒ぐ騒ぐ」や、「遊べ遊べ、遊ぶ遊ぶ」は「附子」の「あおげあおげ、あおぐあおぐ」からのアイデアだという。
面白いが、ちょっと狙いすぎな感じもする。とはいえ短いのでサラッと聴ける。

2.紅蓮★★

アニメタイアップ曲。シングル。正直、あまり好きではない。
イントロで「おっ」と期待させておいて、曲の展開が結局いつものDOESなのが笑える。
エイトビートを使った彼ららしいシンプルなロックナンバーなのだが、サビがイマイチ。
じわじわハマるメロディーは良いのだが、ワタルさんの歌唱がなんだか中途半端なので、迫力がない。
ドラムもなんだか盛り上がりに欠けるような・・・。
四つ打ちのサビではハイハットをメインに攻めるより、
『曇天』のサビのように力強く攻めた方がインパクト良かったのではないか?と思ったので個人的にはそこもマイナス。
間奏は「さあソロを見せるぞ!」というより、「ここで小休止・・・」といった感じ。
曲が激しいので聴いている側としてはここでなんだか肩透かしくらった気分に。
また、アニメの為の書き下ろしとはいえやたら暑苦しい歌詞もDOESらしくないなと思った。
正直これならば『ジャック・ナイフ』の方が良い。

3.春★★★

ゆったりした叙情的な曲。
アルペジオが曲の雰囲気を上手く作っている。しかし演奏はメリハリも有りしっかりしていて力強さが感じ取れる。
そういう点では『三月』に似ている。曲調は全然違うけど、タイトルも春に関連しているし。
さてこの曲、サビ締めで「めぐり合うならまた君がいいと青く想えた春でした」というフレーズがある。
なんかここで一気に普通のJ-POPになった感じがする。「この曲はバラードですよ」って聴き手に確認の念を押している感。
もっとワタルさんらしいフレーズがチョイスできたのではないか?と思った。
このアルバムから入った人は多分、「良い曲だ!」と感じるかもしれないが古参のファンはどう思ったんだろう。
自分は、「普通のバラードじゃねーか!」と思ってしまった。でもやっぱりメロディーは良い。
万人受けするような普通の曲なので1stの個性的なバラード群には及ばないと思う。

4.殺伐とラブニア★★★★

前曲とは打って変わって激しいロックナンバーに。「ラブニア」とは、「LOVE NEAR」からの造語らしい。
イントロの勢いそのまま突っ走るのかと思いきや、ちゃんと演奏に起伏があり、サビもわかりやすく、結構凝った作りになっている。
最近気になっていたワタルさんのがむしゃらな歌唱もこの曲には合っている。間違いなくライブ用に作られたと思われる。
『紅蓮』のように間奏で一旦小休止をとるような展開になるが、こっちは上手くハマっている。
メンバーのコーラスも良いアクセントになっている。
シングル候補だったらしいが、こっちを出したほうが受けは良かったんではないだろうか?タイアップに負けたのか・・・。
歌詞はワタルさん曰く「愛するものが近くにある、それが故に殺伐としていく少年って感じ」らしい。
やたら漢字が多い。「どう?漢字多くしてDOESっぽいでしょ?」と、バンドが保守に回った感じがしてなんだか鼻についた。
自分たちのイメージをなんとか残そうとしたような。
あと、最後の「ニャー!」がダサい。良いトシしたオッサンが何やってんだ!と思った。
「オレ達これから明るくやっていくから!」という意思表示だろうか?そういうのは前作みたいな曲でやって欲しい。

5.リリス★★★★

ミドルなロックナンバー。イントロのギターが良い。
それからBメロのヘンテコな雰囲気が好き。Bメロに入る前のドラムも心地良い。
サビも覚えやすく、これは昔のDOESには作れないなと思った。でもアレンジはほぼ全部ワタルさんがやったのか・・・。うーむ。
歌詞は前曲同様、やたら漢字が多い。それでも上手くメロディーにハマっている。
しかし、2番の「ゴミクズカスでも~」というフレーズが引っかかった。
投げやりというか、下品すぎるというか、3.と一緒で、「もっと別の表現出来たでしょ」と考えてしまった。そこがマイナスポイント。
出来は良いのだけれどどこか引っかかるものを残してしまったなんだか惜しい曲。

6.問題★★★

7分を超えるレゲエな曲。長いが案外サラリと聴ける。中盤ではグラスが割れる音も。ドラムが大変そう。
さてこの曲、いきなり「原発や増える人口 戦争を繰り返す国」というフレーズから始まる。歌詞が問題である。
正直、時代や社会をイメージさせるワードを入れてほしくなかった。
今まで彼らが拘ってきた「日本語詞とロックの融合」の魅力が覆されたような、裏切られたような気がした。
これはDOESが歌うべきテーマじゃないと思う。
2番サビ後の「あれもこれも問題ってそもそもいったい全体何だい?」から始まる歌詞も苦手。なんか説教臭い。
初めて聴いたとき歌いだしのフレーズで驚いたが、
「どうせわからない事はそのままでいいのだ みたいな煙に巻いた感じで落ち着くんでしょ?」とか考えていたら、
「考えは後にして今はふざけて踊ろう」というフレーズが流れてきて思わず笑ったのを覚えている。
あ、この歌でそのテーマの回答をするわけじゃないのね・・・。「問題はクソくらえ」とか言ってるし。
つまりこの曲の存在自体が問題ではないか。あと現代社会の問題も大事だがワタルさんには自分の喉の問題を何とかしてほしい。

7.レーザー・ライト★★★★★

これだけ歌詞が横書き。ダンサブルなロックナンバー。ぶっちゃけ今作で一番好き。
サビの爆発するようなギターが凄く心地良くてたまらない。ドラムの四つ打ちも気に入っている。
『リリス』同様、今までになかった感じの曲。また4.のように、がなるような歌い方もハマっている。
間奏ではヤスさんのベースソロが炸裂。『オーライとオーイエ』を彷彿とさせるようなワタルさんの絶叫もカッコ良い。
というか改めて聴くとこの間奏結構カオス。
あとこの曲では英語のフレーズが組み込まれているがそこがダサい。なんだかカッコつけて歌っているように聴こえる。
ともあれ「バンド感」が良く出ていて聴き込んでしまう曲だ。

8.ブラック・チェリー★★☆

重い曲。ゆったりした曲調、重い演奏、シリアスな歌詞はなんだか『トーチ・ライター』を彷彿とさせる。
実際似ていると思う。でもあっちのほうが良いかな。これといってあんまり印象に残らない曲。
ところどころがなるワタルさんの歌唱がちょっと耳障り。
間奏は好き。それと4分40秒もあったことに驚き。もっと短く感じる。

9.アイスクリーム★★★☆

遊びで入れたという、夏らしさを感じる曲。
途中演奏が止んで、ドラムインでまた曲が始まる、曲調がガラリと変わる、と思ったら途端に加速するなど、
遊び心満載な展開は聴き手を飽きさせないように工夫されている。
DOESでこういう展開の曲は初めて。このアルバムは彼らの新しい可能性を見せてくれる曲が多いね。
歌詞は夏をエンジョイする野郎共を描いている。メロディーと歌詞の融合度が高い。
Bメロの畳み掛けるような感じがたまらない。しかしサビがなんだかイマイチ。

10.君とどこかへ★★★

良い曲なのだけれども、歌詞が普通すぎる。耳に引っかかるワードがない。
今までの彼らの楽曲は何かしら引っかかるワードがどこかにあったので何回も歌詞を読み返したが、この曲にはそれがない。
それから演奏も普通。綺麗に纏まっているけれど、その辺のちょっと優等生なバンドという感じ。
曲の展開もAメロ、Bメロ、サビ、2番、Cメロ、サビというJ-POP王道パターン。サビ前でコーラスを入れるあたりもベタ。
アウトロも物足りないというかつまらないなと思った。小奇麗に纏まりすぎているのが仇になってしまったかな。

11.わすれもの★★★

前曲同様、歌詞にこれといったワタルさんの個性が見られない。
いきなり「夜のコンビニ」というワードが出てくる。なんだか違和感がすごい。昔は「珈琲屋」とかそういうワード繰り出してたのに。
その次には、「イヤホン片方はずして聞いた知らない人の話し声」と続く。
彼らの楽曲は、曲の雰囲気と歌詞のイメージ(風景描写や言葉遊びなど)をうまく混ぜ合わせる事で
1曲1曲にキチンと世界観が構築されており、聴き終ったあとまるで1本の短編小説を読んだような満足感が得られる所に良さがあると
自分なりには思ってきたが、この曲は結構具体的な歌詞なのにそのような満足感が得られなかった。
前の曲と似ているからだろうか?普遍性が高い歌詞だからだろうか?
良い曲なのは確かだ。
ワタルさんの歌詞は「小説」から「エッセイ」に切り替わったのだろうか。

12.終わりのない歌★★★

アルバムの締めには持って来いのロックナンバー。暴れるようなギターが良い。
Cメロから大サビ前の歌詞があまり好きではない。「~でしょうか」というフレーズも似合っていないように思えた。
しかし最後の曲に来てもメロディーの安定感が凄い。
聴きやすく、そして飽きさせないメロディーを生み出すコンポーザーとしてのワタルさんの才能は非常に優れていると思う。
聴き終ったあと、「あー終わった!」とすっきりした気持ちになれる。

総評.★★★☆

スリーピースロックバンド「DOES」の6枚目となる、セルフタイトルのアルバム。
さて、このアルバムの良い所を挙げると、まず1つに曲順が挙がる。
明らかに計算されていて、聴き手を飽きさせないよう様々なジャンルの楽曲が偏らないように散りばめられている。
そのため、あっという間に聴き終わる。流れに嫌みがないのは良いと思った。
それから、「バンド感」が増した事。
今まではボーカルの氏原ワタルがほぼ1人で作詞作曲はもちろん、アレンジまでもこなし、
それをメンバーに演奏してもらっていたらしいが、今作はメンバー全員で楽曲のアレンジに携わった事で
これまでになかったリフ(サポメンのオサムさんが考えたものなど)や曲構成が見られた。
ベースソロなども聴きごたえある。曲へ付ける飾りが増えた事で、彼らの新たな一面を見る事が出来た。
同じような曲が並んでいた前作よりもボリュームがあり、クオリティも高く、よくまとまっているアルバムだと思う。
次に、気になった点。
まず、ワタルさんの歌唱。喉を心配してしまう。
前作から既にがなるような歌唱になっていたが、メッセージ性の強い歌詞に合わせてわざとそう歌っているようには考えられない。
単純に喉が劣化しているのだと思った。特に音域が明らかに狭くなっているのは割と深刻な事ではないだろうか。
mid2D~Eあたりで既にがなっているようでは、正直、これまでの楽曲を今まで通りクールに歌いこなすのは難しいだろう。
今作でも、その歌唱が楽曲の質を下げているなと感じる所がいくつかあったのが残念。
『赤いサンデー』とか今歌えるのかなあ。心配なので、ちゃんとケアして欲しいです。
それから、歌詞。
震災後(正確には第二期始動となるアルバム『MODERN AGE』あたりからストレートな歌詞の曲は少し見られていた)、
ワタルさんの歌詞は明らかに「日本語の美しさ」より「メッセージ性」を重視している。
確かに、「伝える」事はとても大切だ。普遍性の高い歌詞は、聴き手に迷いなく届くだろう。
しかし、これまでの楽曲に見られた個性的な言葉のチョイスや、独特な表現、風景描写。
ロックと日本語詞の融合を高い次元で表現してきた彼らの個性が鳴りを潜めてしまったのは残念だと思った。
スピッツのように、草野マサムネ氏の妄想、ドロドロした性と死の世界観、暗号のような初期の歌詞から、
前向きなメッセージを入れつつ、巧みにメタファーを組み込み、
しっかりと個性を残したまま徐々に「内」から「外」へ変化したのではなく、
DOESは震災以降、(根底は変わっていないにしろ)バンドのイメージを一度壊して、再構築しているように感じられた。
自分はまだ彼らの突然の変化に戸惑っているが、今のワタルさんの書く歌詞、歌を肯定できる人にとっては、
このアルバムは十分満足できる出来だろう。個々の楽曲のクオリティは高いし、ワタルさんのメロディーメーカーとしての才能は健在だ。
相変わらず聴き手を飽きさせない、練り込まれた良いメロディーを聴かせてくれる。
バンドの状態も良いし、彼ら自身もこのアルバムを「最高傑作」と評価している。
今の彼らをどう感じ取るかによって評価が変わる1枚だと思った。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。)