* コンピレーション : まぼろしのめいばんかいほうかしゅう

16th.112-115 : 名無しのエリー2007.11.20.

1.スナッキーで踊ろう(海道はじめ)★★★

冒頭の「お~お~お~」という風呂で気持ち良すぎて出てしまったかのような歌声が聞き手の心を一瞬で掴んでしまう怪作。
68年作にしては曲間のドラムソロやギターもしっかりと作られており、その演奏をバックに独特の歌声とのギャップを楽しむ曲です。
ちなみにプリマハム商品のCM曲です。あんま関係無いね…。

2.もだえ(マリア四郎)★★

カリプソ風の前奏から始まる渋い曲。演奏自体は普通なのだが問題はマリア氏の歌声。
その歌声は舌足らずでありながら囁くように、ねちっこい。まるで悶えるていような歌声で迫ってくる。好き嫌いがはっきり分かれそうだなぁ。
アアアンとしつこく迫ってくるので危険(?)な曲でもある。

3.傷恋(マリア四郎)★★☆

壮大なオーケストラサウンドをバックにマリア氏の悶えるような歌声が冴え渡る。
序盤では淡々と歌いつつも盛り上がるところでは叫びも入りつつさらに盛り上げる。
ねちっこさも二倍増で非常に変態的なバラードとなっている。

4.恋のチューリップ(港孝也とパッション・グループ)★★

いかにも、GSだなぁという感じの曲。港氏も普通のボーカリストと言う印象。
バックのコーラス隊(女性)が問題で歌い手よりも目立つほどの騒ぎ声と悶え(また…)声のほうが印象に残る。
コーラスの価値観を逆転させてしまった歌謡曲

5.南国の夜(中井昭とコロラティーノ)★★☆

ムード歌謡曲に九州地方とハワイを組合わせたらこうなりましたと言う感じの曲。
九州地方の要素は歌詞に表れており「阿蘇の~」「日南海岸~宮崎の夜~」という感じ。
ハワイの要素は歌い手の裏声。常に裏声で歌っているのです。その歌声は非常に気持ちいい。

6.東京の人(ゲイリー高木とルーパー6)★★

いきなり尺八の音色が炸裂して冒頭のインパクトは大。まるで、甲斐バンドみたいな野太い歌声も尺八との相性抜群だ!。
でも、全体的に噛み合わさっている感じではない…。尺八と歌声の印象しか残らないです。

7.太陽がほしい(万里れい子)★★

サビの「ウイソルカリエンtレ!」という部分が良く分からないけど。たぶんイタリア語かな?。
ピアノのタンタンタンと続く音色とカルメン風の演奏。この万里氏の歌声もまた強烈。
「欲しい」のところだけで「ほしぃ~~ぃいいぃ~~ぃいいいいぃ~」とドップラー効果みたいにかなり無理やり伸ばしています。
この歌声はなんで?

8.磯釣り音頭(野田憲司とギャランティ)★★★

まぁ、普通の音頭だったらこの曲者コンビネーションには収録されません。
脱力したような歌声で「アコリャ」「サテ」「サァ」「コリャサット」と合いの手もまた脱力している。
しかし、その加減が聞いてる人の一種の快感を与えてくれる。そして、いつの間にか「コリャサット」と合いの手を言ってるはず…。

9.父ちゃんどこさ行った(奈良寮子)★★☆

歌謡曲史上ここまで悲惨な曲はあるのだろうか?多分無いと思う。
子供の純粋な悲しみ(タイトルとか「かぁちゃん毎日働いて~」とか)を表した歌詞と、
その子供がかすれつつも一生懸命歌う姿には聞くものに感動を与える。
まぁ、ベタベタの感動物語が嫌いな人は聴く気にはならないでしょう。

10.資本論のブルース(大城晋)★★

歌詞が素晴らしい。ヘーゲル、マルクス、エンゲルスを浪花節の歌詞に融合させる無理矢理感が良い。
演奏自体も渋い。

11.ニャオニャオ甘えて(民悦子)★☆

「にゃおにゃお」と甘えてくるようなコーラスが印象的。まるで、現代の猫耳萌え文化を先取りしているようだ(嘘)。
本当に猫っぽいところが凄い。
好き嫌いが真っ二つに分かれるというか…自分は無理です…。

12.公害ブルース(アプリコット)★★

女性デュエットによる社会派ソング。
10曲目と同じように水俣病など公害に関する言葉が歌詞に随所に盛り込まれており公害の勉強になる。
アコースティックギターの音色と歌声の明るさとは対照的に、歌詞ではシリアスな部分が出ておりそのアンバランスさが素晴らしい。

13.当地興行(栃若清光)★★☆

力士は美声の持ち主ということで昔は力士(高見山等)のレコードが結構出ていたりする。この曲は地方興行をモチーフにした歌となっている。
全体的に和風な感じ(当たり前か)。
地方興行が無事に終わったことの感謝としばらくこの土地では出来ない名残惜しさを感じさせる歌詞はまるで人間ドラマ。

14.新小岩から亀戸へ(潤まり)★☆

ポルノ女優が歌ってることらしい。彼女の人生を歌ってる感じではある。
バックの侘しさが逆に良い感じ。だけど印象に残らない…。

15.男(神ブラザース)★★☆

ここから2曲はこのアルバムでも特にカオスの部分です。もうグループ名が混沌(カオス)…。
「兄貴!」「馬鹿野郎!」というセリフ、任侠の合言葉かのような歌詞、演歌調。まるで日本の浪花節を100パーセント濃縮させたかのような歌。
セリフの後の盛り上がりは聴いてるものを興奮の坩堝に陥れる。

16.変な串かつ教室(屋台のおっさん)★★☆

作詞作曲すべて素人の「屋台のおっさん」(注:芸名です)が手かけたセルフプロデュース作。
こちらは大阪日本橋の文化を200パーセント濃縮させたワルツ曲となっている。
ベタベタなギャクと人情を感じさせる要素が合体しているのもめずらしい。
…とりあえずこれで串かつ作る気にはならない。

17.硬派銀次郎(山田銀次郎)★★☆

本宮ひろしの同名マンガをモチーフにした曲。出だしのパーカッションには驚いた。
しかし、この曲の核となる部分は曲間に入ってくる銀次郎とたか子のやり取り。
銀次郎の暴言をたか子が肯定するというパターンが素晴らしい。

18.相棒 Part3 人生グルメ(藤本卓也)★★★☆

壮大なシンセイザーが鳴り響く中藤本氏の歌声が入ってくるところは本当に鳥肌が立つ。
この歌声は人々に安心感を持たせてくれる渋い歌声で打ち込み音との相性もなかなか素晴らしい。
信頼しあえる間柄を表現した歌詞も曲と大変合っていてなかなか。この混沌としたアルバムの最後を飾るには丁度良い曲です。

総評.★★★

良くここまで革新的でありながら変態的な歌謡曲を集めてきたなというのが総評です。
確かに、有名所の歌謡曲ばかり聴くのも良いけれども、
そればかりではなく歴史に埋もれたが強烈な個性を放つ曲も聴いてみるのも良いなと全体聴いて思ったり。
しかし、このアルバムはシリーズで4枚あるうちの1枚目なのであと3枚このようなアルバムがあるという…。
変なもの好きにはたまらないアルバムだと思います。

(★:2点,☆:1点の計10点満点。各曲の発表年情報は省略しました。)